「清水ミチコひとりのビッグショー」1月2日
昨年のお正月に続いて二回目の開催だが、武道館が満席になるという噂は本当だった。
行ってみたいなあ、直前でもチケットはあるだろうぐらいに考えていたので、まあまあ端の席だった。
武道館は見やすいけどね。少しみにくい場所の追加席も発売されたようだが、その席のあたりに手を振って「1000円安い席のお客さんも、楽しんでる?!」と声をかけるのもミっちゃんらしい。
芸人さんのワンマンで武道館が満員という公演て、今まであったろうか。春風亭小朝師匠やダウンタウンさんはどうだったのか。
小池都知事のモノマネでの前説ビデオが流れはじめた時点から、館内は熱気にあふれ、定番のモノマネや、テレビでは見られない「危険」なネタがあり、後半の「誰それ作曲法」コーナーは、さすがとしか言いようがない。
では「スピッツ作曲法」を歌いますといって、スピッツの曲風の新作が披露される。彼らの使いやすい歌詞、コード進行、歌い方が渾然一体となった楽曲だ。山口百恵さんがもし今新曲を出したらこんな感じかなという曲も寒気がするくらいのできだ。もちろんユーミンはおてのものだし。
純粋にユーミンのモノマネで歌った「雨の街を」もよかったなあ。
~ 夜明けの雨はミルク色 静かな街に ささやきながら降りて来る 妖精たちよ ~
くそ、ニセモノに泣かされるなんて。
清水ミっちゃんのものまねは、タモリ氏の系譜をひくイデオロギーモノマネだ。
対象の心身両面を真似る。内面に近づくことの方がむしろ重要で、結果として形態、顔、歌い方も似てくる。
きっとモノマネされた側は、自己の内面の真実に逆に気づかされるんじゃないかな。
たっぷり3時間弱。武道館満員もうなづける。日本のエンターテインメントの一つの頂点を見た思いだが、それを一人で、ピアノ一台でやってのけるところがすごい。