水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

東京ウインドオーケストラ

2017年01月21日 | 演奏会・映画など

 

 入試の準備が終わると、生徒は校内にいられなくなる。運動部は練習できても、うちは難しい。こんなとき、公民館やホールを借りて練習するような学校さんもあるが、こういう時はむしろ純粋な練習から離れて、ちがった形で自分の内面を高めるのもいいのではないか。そう思って入試期間は休みにしている、ていうか休みください。
 ということで、授業と準備をおえて新宿へ。新宿武蔵野館の予告編で「東京ウインドオーケストラ」というクレジットを見て、え? と思った。佼成のドキュメント映画? と思ったから。ちがったけど、楽しそうなので初日の上映にでかけた。
 東京から有名な吹奏楽団を招こうとした屋久島の町役場職員が、「東京ウインドオーケストラ」というサイトを見つける。おお。これだこれだ、昔東京で演奏をきいて感動した楽団だと。
 しかし、それはカルチャー教室で楽器を学ぶ人たちで構成されるアマチュアバンドだった。破格のオファーを受けた彼らは、いぶかしみながらもいい旅行になると、「一応」楽器をもって屋久島に向かう。
 島に着くと、まず地元の中学校で一緒に演奏しながらレッスンをお願いしますと言われ、連れていかれる。自分達よりも上手かもしれない中学生に対して、さてどう接しようかというところから始まるコメディー作品。
 もっと早くお互い気づくだろ! とつっこめるところはもちろんあるが、「東京ウインドオーケストラ」て書いてあったら、あ、佼成さんと俺だって思ってしまう。
 この出来事で、誰かが成長するとか、大事件が解決するとかのカタルシスは用意されてないが、ほのぼのとした小品だった。上映前に舞台挨拶があった。見終わって出ると、扉をあけたところに再び挨拶をされキャストの方が並んで頭を下げている。なんて律儀な。はじめての経験だった。

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戦略

2017年01月21日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「戦略」


 センター試験が終わった。例年のごとく、結果を手にした先輩達は、悲喜こもごもの状況をむかえている。思いのほかいい結果だった人はおそらく少ない。うまくいって、予定していた点数にギリギリ到達したというレベルであろう。もう少しほしかった、失敗したと悔やむ人ももちろんいる。 それらの結果は、今年の問題やその日の体調から「たまたま」もたらされたものではない。
 センター当日を迎えるまでにどんな日々を積み重ねてきたかが、結果として点数に現れたのだ。
 これからどんな一年を過ごし、どのように勉強していくか。
 「大学入試」という試験は、ほぼ同学年同士が、一回こっきりの勝負をするところが最も特殊だと言っていい。英検や運転免許のように何回も受けられる試験ではない。司法試験ほど何年も受け続ける人はそうはいない。ゲームのようにスコアが蓄積されてもいかない。
 いくら力をつけていても、試験当日にかぎって発揮できなければ、その年は終わりだ。
 そういう意味では、オリンピックのような大会と似ている。
 ただし、世界中の猛者が集まってくるわけではないという意味で、オリンピックとは全く異なる。
 どんなに優秀な相手でも、しょせん自分と同じ期間を生きてきた日本の高校生だ。
 金メダルは各競技に一つしかないが、超難関とよばれる大学でさえ合格枠は何十、何百とある。
 一番の成績をとって合格する必要はない。自分が行きたい大学の合格最低点を上回りさえすればいいのだ。自分に与えられた時間のなかで、それを達成するには「戦略」がいる。


 ~ 受験の戦略は、合格最低点を知る事から始まる。最低でも、3年分、5年分は調べるのだ。合格者最高点と、合格者平均点、合格最低点の三つの点数が発表される事があって、多くの方が、合格者平均点を目指すと勘違いしている。でもこれは間違いである。目指すべきは合格最低点である。これを上回れば合格だし、これに達しなければ不合格となるからだ。
 合格最低点を数年分調べたら、次は自分の目標点を決めた。ここ5年程度で、東大の文科三類の合格最低点は550点中、320~350点ほどだった。そこで私は360点を目標点とし、センター
試験の配分が加算される90点を差し引き、二次試験で270点を確保することを目指した。
 次に科目ごとの目標点を決める。東大文三は英語、数学、国語、日本史、地理の5科目が出題されるので何点の配点があるか、普通の合格者は何点くらい取っているのか、などの情報を調べつつ、合計270点になるように、配分していった。 … 目標点を決めたら、徹底的に勉強法を研究していった。学校や塾の先生に相談するも良し、自分で調べるのも良し。限られた時間で結果を出せるよう勉強法を編み出していくのだ。 (平井基之『戦略的“東大”合格法 受験勉強には意義がある』「正論2月号」) ~


 たとえばセンター試験の英語で、満点を狙いにいくのか、7割でいいのかで勉強法は異なる。国語で8割を目指すとして、A君とB君とでは勉強方法が異なる。今から50時間勉強して30点アップする科目もあれば、ほとんど変わらない科目もある。
 頑張ったり、努力しようとする前に、まずは情報の収集だ。

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