水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

負けん気

2014年11月13日 | 学年だよりなど

  学年だより「負けん気」


 ~ センター試験では、100%の力を出し切ることが大事だと言われる。だが、勝負ごとでは「本番に強い」化け物がいる。プレッシャーを餌にして、ここ一番で120%の力を出せる人間だ。
 たとえば、柔道の「ヤワラちゃん」谷亮子や、レスリングの吉田沙保里は、勝負のときは明らかに別人になっている。人格豹変し、何かに対し怒っているように見える。
 怒りの感情こそが、本番に強くなる原動力だ。先生から「お前の力じゃ志望校は無理だ」と言われたとか、友達から、「お前が○○大? 無理だね。アハハ」と笑われたとか、屈辱をバネにした「倍返し」の復讐心こそ、試験で効果を発揮する。
「ミスしたらどうしよう」と心配になるのは、センターという化け物に防御姿勢で脅えているからだ。防御の姿勢はメンタルが破壊される。攻撃側に転じなければ火事場の馬鹿力は出ない。 (笠見未央『センター前ヒット センター試験でこけない68の法則』高陵社書店) ~


 余裕をもって本番の試験に臨める生徒は、いまの三年生にはいない。
 みなさん自身が一番わかっていることと思う。
 同じ余裕がない状態でも、「やってやるぞ!」と向かっていくのと、「だめかもしれない … 」と弱気で臨むのとでは、結果は相当変わるだろう。
 問題文一つ読み取るにしてもそうだ。
 現代文の評論では、ときに相当難しい文章が出題される。「なんか全然頭に入ってこない … 」と弱気になると、まったく読めなくなる。
 「難しい言葉使ってんじゃねえよっ!」と著者を一喝する気分で、むしろ上から目線で読むくらいの方がいい。ここだけの話だが、言葉が難しい評論ほど中身はたいしたことがないものだ。
 笠見先生は、本番前には、塾生たちをあえて嫌らしく挑発するという。
「君たちは、しょせん田舎者だ(注:塾は岡山県にある)。都会の難関校の生徒にはかなわないよ、ものがちがうんだから」と。
 それでしゅんとする生徒もいるが、結果を出す生徒はそこで「なにくそ」と闘志を燃やす。


 ~ センター直前に必要なのは、怒りの感情である。俺が成功しないで誰が成功するのかという、強烈なプライドである。試験前のプレッシャーを内部に向ければ重圧になるが、外に解き放てばエネルギーになる。
 勉強ってね、やっぱり負けん気が強い人間が勝つんだな。他人と比べられたら、屈辱で「ザラリ」とした不快なものが腹に宿る。怒りの感情は不安のウィルスを寄せつけない。試験前の不安など、怒気で抹殺せよ。
 最後に、不安解消の決定的手段を述べる。それは塾でカンヅメになり勉強することだ。家で勉強すると一人悩むし、誘惑も多い。その点塾なら余計なことを考えずに済む。肉体的疲労はあるが、精神的疲労は少ない。悩みが入り込む隙がなく、勉強に集中できる。 ~


 みんな、何かしら「なにくそ」とか「みてろよ」とか、あるんじゃないか。

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シャンティデイズ

2014年11月11日 | 演奏会・映画など

 主演の道端ジェシカさんは、福井県の出身。これだけきれいだと、福井ではういてたんじゃないかな。地元時代もモデル的な仕事をしてたと聞いたことはあるけど。
 もちろんこの作品でもきれいだった。
 トップモデルとして活躍し、ヨガのインストラクターとしても一流で、彼女そのものをブランドにする企画が進んでいる … というぐらいのカリスマ的存在であるKUMI役を、ジェシカさんが演じる。
 モデルの仕事ぶりは、日常の姿そのままだろうし、芸能界でちやほやされる、そのされ方も身を以て体験しているはずだから、リアルに演じられる。
 飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍できてても、その勢いが失われると、ちやほやしてもらえる度合いが変わり、ちやほやの質が変わり、周囲が自分に求めていることが何かを的確につかまないと、気づいた時には周りから人が減り、自分のオーラ自体も薄れていく … 。
 そういう現実も、きっと彼女はよくわかっているにちがいない。
 モデルの役を本当のモデルさんに演じてもらうことによって、内面の苦悩、葛藤、いろんな思いが見えやすい。
 こんな時はがんばって笑顔! とか、CMのクライアントさんには最高に気を使おう! とか、あえて頑張って笑顔を浮かべている姿に見えてくる。
 サブテキストを観客側が勝手に用意するのだ。
 ジェシカさんは、たぶん役者さんとしての訓練を、本職の方ほどは受けていない。
 一歩間違えば、セリフがただの音声になってしまう危険もある。観ている側が、現実の彼女を重ねさせることによって、自然に感情移入することを可能にするという、クレバーな作戦によるキャスティングは、功を奏していた。

 それにしてもモデル出身の女優さんが、たくさん活躍されている。
 桐谷美玲ちゃんはすっかり女優さんだし、波留さんは最初からお芝居が上手だった。最近知った高橋メアリージュンさんの存在感もすごい。佐々木希ちゃんも、作品によってはずいぶん女優さんぽい。
 純粋にお芝居が上手な方は、ちょっとした芝居小屋に行けば、たくさんいる。
 え? こんな上手な方が100人もいない前で演じているのか、と思うことはある。
 もちろん、きれいな方もたくさんいる。
 モデルさんというのは、純粋に物理的な造作上で恵まれているというより、「花」があるということなのだろう。
 もってうまれた「花」、今風にいうとオーラとかアウラとしか言いようのないものは、存在すると思う。
 努力や経験で身に備わってくる「花」もある。
 元々持っている「花」によってモデルとして発見され、その活動を通してさらに大輪の花となり、たとえお芝居力に若干の難はあっても、周囲の本職さんに支えてもらいながら女優さんとしての力を発揮し、そんな仕事を積み重ねていくうちに、いつしか一流の女優さんになっていく、たとえば米倉涼子さんのように … 、みたいな経歴をたどっていくと、事務所的には万々歳だ。

 花のなさを演じさせたら、もうひとりの主役、門脇麦ちゃんのそれは絶品だ。
 青森で一生終えるのはヤだ、と一念発起してお金をためて上京し、KUMIと出会い、居候することになる田舎娘の海空(みく)を演じている。
 彼女が初主演した「愛の渦」はR18指定だったので、自分みたくうぶな男子が観に行っていいのかなと躊躇してるうちに終わってしまった。
 少し前に見た「闇金ウシジマくん」では実にいいお芝居をしてた。
 この作品も、期待をはるかに上回るお仕事ぶりだ。
 田舎から出てきた娘が、地域共同体でのコミュニケーションを、そのまま都会で出会った人たちに適用しようとする。
 都会人にとっては、プチうざい。しかし、海空の対人距離感覚は、自分の中でどこか懐かしさもおぼえるのだ。
 こんな風に人とずけずけ関わっていけたらいいのにという思い。
 モデル、ヨガインストラクターと、人との関わりを精妙に築き上げてきたKUMIにとって、海空は、気になってしょうがない存在になっていく。
 「人なつこさ」という距離感で都会になじんでいく方法を身につけた海空は、どんどん垢抜けていく。
 おそらく門脇さんは、綿密な役作りを課すタイプで、このシーンではこんな衣裳で、こんな笑顔で … て、きっちりと計算して演じているのではないだろうか。
 それでいて、その計算を感じさせない自然なお芝居力は、昔の大竹しのぶさんを観ているようなスケールを感じさせる(なんか、女優評論になってきた … )。
 これから一気にトップ女優さんにかけあがっていきそうな気配がばりばり漂っていた。

 KUMIと海空とがヨガを通して出会い、紆余曲折を経て大切なものに気づいていくストーリー自体にひねったところはないし、血湧き肉躍るシーンも、はらはらドキドキもない。
 しかし、見終わったあと、やさしい気持ちになれる。
 一日一日大事にしたいなと思えてくる。
 最後のシーンが終わったあとの5分のヨガタイムも、ごく自然に一緒に呼吸していた。
 仕事でちょっとヤなことがあったとか、家族と雰囲気が悪くなったとか、息子さんとけんかしたとか、お弁当作りや洗濯が面倒くさくなったとか、しわとシミが気になるとか、だんなさんの実家と溝ができたとか、なんかちょっと後ろ向き要素がある方には第一にお薦めしたい。即効性を保証します。

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センター前ヒット

2014年11月11日 | 学年だよりなど

  学年だより「センター前ヒット」

 笠見未央『センター前ヒット センター試験でこけない68の法則』を、私費で私費で11冊購入した。各クラスにおいておくので、ぜひ手にとってみてほしい。
 自分の希望は私大の一般受験一本のみ、センターは受けるだけ、という気持ちの人もいると思う。
 しかし、受験生としての力を測るのに、センター以上に精度の高い試験は、今の日本にはない。
 志望大学の問題で合格点をとることが最優先目標であることはまちがいないが、それとセンターの勉強とは矛盾しない。センターの問題が難しくて解けないレベルでは、みんなが行きたい私大の問題には対応できないのだ。
 基礎をしっかり固めた結果、センターでそれなりの点数をとることができ、運良くセンター合格を一つでもゲットできたなら、そのあとは精神的に優位に立てる。
 残された時間は多くはない。集中しなければと思いながら、「焦り」がわいてくると、ますます集中できなくなる。そんな受験生に手にとってほしいとの思いで書かれたのがこの本だ。


 ~ センター前は誰もが悩みを抱えている。英語の第6問が読めない、国語の点数の波が激しい、理科や社会の暗記が苦しい、数学の勉強が憂鬱、机に向かってもエンジンがかからない、友人の成績が伸びて取り残される、やっている勉強が正しいのか確信できない、模試が伸びないなど、試験前はメンタルが痛めつけられる。理想は「濃い」勉強をしたいのに、現実には勉強に100%集中できない。
 そんな、センター直前の受験生の、「しっくりいかない感じ」を、勉強面・精神面の両方から解決する目的で書いたのが、本書『センター前ヒット』である。本書は現場で得た血と涙の通った実践例しか書いていない。現場が生んだ方法論で「濃い」勉強が可能になるだろう。 ~


 笠見先生のブログ「猫ギターの教育論」の記事からも感じられるが、先生は、自分の塾の生徒、つまり目の前の生徒の成績をあげるにはどうするかだけを、寝食惜しんで考え、方法を編み出し、そして法則化している。現場の実践例に裏打ちされた事例がこの本にはつまっているし、きれいごとや絵空事は一切無い。すべて、本音で書かれている。


 ~ 参謀の初仕事として、英語で伸び悩んでいる受験生に一つだけ具体的な策を述べよう。
 たとえば、センター英語で130点前後をうろうろし、点数が上がらない受験生の大半は、完全に英単語不足だ。駿台『システム英単語』の第1章・第2章・第5章の”MINIMAL PHRASES”を英語から日本語に直す猛暗記を3日以内にやれば、長文読解力は大幅に上がる。
 英語長文をスイカにたとえると、未知の単語は種子である。単語量不足で英文を読めば、英文は種子だらけの真っ黒なスイカみたいで食べにくい。だが、短期間に英単語を暗記すれば、種無しスイカのように食べやすくなり、楽に大量の英文を読みこなせる。英語だけでなく「超短期暗記」は爆発的効果をもたらし、スムースに「濃い」勉強ができる弾みになる。 (笠見未央『センター前ヒット センター試験でこけない68の法則』高陵社書店) ~

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バッハザール

2014年11月10日 | 演奏会・映画など

西部地区高校音楽祭 第三日目

武蔵野音楽大学バッハザール(西武池袋線仏子)

18番 14:20演奏 樽屋雅徳作曲「斐伊川に流るるクシナダ姫の涙」

応援ありがとうございました!

指導講評の先生から、お褒めの言葉をいただきました!!

(指揮もよかったって … うふ)

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センター前ヒット センター試験でこけない68の法則

2014年11月08日 | おすすめの本・CD

 笠見未央氏は、比喩の名手だ。
 比喩とは、何かは何かに似ているとたとえることだ。aとxをつなぐ行為である。そんなふうにつながっていることなど思いも寄らなかったaとxがつながった時に納得感や新鮮感(こんな言葉あるかな)が得られる。
 なんでもつなげて言えばいいってものでもない。

 誰もが言えそうなことを言ってもつまらない。
 「お月様がホットケーキみたいだ」ぐらいの比喩を口にして喜んでもらえるのは、年少さんぐらいまでだろう。

 誰もが納得できないたとえ方をしても、受け入れられない。
 「川東の演奏って、夕べの三日月だったね」
 「 …… (美しいっていう意味? あぶなっかしいってこと?)。そ、そうだね(何言ってんの、この人)」

 たとえるモノが知られてない場合も伝わらない。
 昨夜、スポーツニュースでラグビー日本代表の監督さんが映ってたので、都立片倉の馬場先生に似てるよね、と言ってみたけど、家族には伝わらなかった。

 昨日、車のなかで、あややの歌う「渡良瀬橋」に号泣する。本家森高千里さんもコーラスとして参加するこのカヴァー曲は、最近なぜかたくさん聴いたカヴァー作品群の中でも出色のできばえだ。
 ほんとにいいです。彼女の歌ほど、一つの言葉、いや一文字の平仮名のすべてに、松浦亜弥という女性の人生が込められていることを感じる歌い手さんはなかなかいない。
 ここまで音符を愛おしむ歌いかたって、そうだな、東海第四高校さんの演奏みたいだ … 、って思いついたけど言う相手がいなかった。
 この気持ちをわかってくれそうな友がいないこともないが、みな忙しそうだし。

 かくも比喩は難しく、なるほど! と思わせるには絶妙のバランスが必要なのだ。
 笠見氏の本に載っている数々のたとえが、心から納得でき、さすがと思えるのは、たとえるものも、たとえられるものも、自分にとって程よく知っているものであるのも大きい。

 たとえば、オススメの国語の参考書とその書き手をこんなふうに説明する。

 ~ 「船口」は親切なやさしい文体で、現代文初心者の女性をエスコートする紳士のような語り口 … 。
 「田村」は天才肌で切れ味が良い。 … 『入試現代文のアクセス』は河合塾伝統の懇切丁寧な説明が特徴。 … 船口の軽やかさ、田村の鋭さが肌に合わない人にお薦め。
 出口汪氏は多作で、 … まるで現代文参考書界の東野圭吾みたな人だが …  (『難関私大・文系をめざせ!』)~

 各教科の学習法を説いている部分にも、マシンガンのように比喩が炸裂している。
 やはり考えてしまうのは、吹奏楽の指導だが、すぐれた指導者は、みな言語能力が高い。
 曲のもっているイメージ、一つ一つの音やハーモニーやリズムも、実に的確な言葉で表現する。
 教科、科目を問わず、すぐれた指導者の条件のひとつに「比喩力」をあげることができるだろう。

 その笠見氏の『センター前ヒット センター試験でこけない68の法則』は、塾講師としての経験によって得られた数々のコツ、教えが、惜しげもなく述べられている。
 受験勉強に対する考え方から、各教科の勉強法まで。 受験当日の持ち物まで、失敗した後の心構えまで。 これは受験参考書という実用書の体裁をとりながら、その実、人の生き方をも指し示す希有の書だ。

 ざっと読んで、これはもっと買って人に薦めようとamazonをみたら入荷待ちになっていた。
 出版社さんにメールしてみたら、社長の高田さまからすぐ送ると連絡していただいた。
 11冊届けてもらい、3年生の各教室においてもらった。これで三年生が一人でも二人でも手にとって最後のスパートに役立ててもらえるなら安いものだ。

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時間との闘い

2014年11月06日 | 学年だよりなど

  学年だより「時間との闘い」


 先日「弱者の戦略」(『難関私大・文系をめざせ!』)で紹介した笠見未央先生は、こう述べる。


 ~ 「センター試験に対して臆病になれる受験生は強い。」 ~


 センター試験に対する「恐怖があるからこそ、日常の勉強で『本番モード』を演出し、本番で不測の事態が起きることを防ぐ」ことができるという。
 今後は、いかに本番を想定した勉強ができるかが勝負を分ける。
 昨日、埼玉高校駅伝に出場した陸上部のみなさん、おつかれさまでした。
 これで、三年生は全員部活は引退したはずだが、みんな、自分の最後の大会の前にどういう練習をしようとしていたかを思い出してほしい。
 なるべく試合と同じ緊張感を持って、試合に近い感覚で、体を動かそうとしていたのではないだろうか。対戦相手のビデオを見てイメージトレーニングした人もいるだろう。試合当日のタイムテーブルにあわせて、何日も前から起床時間をずらしたり、食べる物を吟味した人もいるだろう。
 入試も同じだ。
 本番を想定する勉強としてまず考えないといけないのは、時間感覚だ。
 「センターで失敗しました」と悔やむ先輩たちの多くが第一にあげるのは「時間不足」だった。
 しかし、これはすなわち準備が足りなかったということでもある。
 たとえばセンターは、80分、60分と決まっていて、どういうタイプの問題が、どの程度出題されるかは、すべてわかっている。
 かりに予想に反した内容の問題が出題されたにしても、時間と形式は変わらない。
 センター試験当日に目にする問題は、その新鮮と、本人の精神状態ゆえに、すべてが新傾向の想定外問題に見えることさえある。
 「こんな問題がでるとは思ってなかったと動揺しているうちに、時間が足りなくなってしまいました … 」というセリフは、「自分は中途半端な準備しかして来ませんでした」と同義だ。


 ~ センター試験も速さとの戦いだ。英語や国語の解答時間は80分しかない。これが120分だったら平均点は大幅に上がる。「時間がなかった」はセンター試験では言い訳にしかすぎない。「時間がない」は「力がない」の同義語である。センター試験で失敗する理由の一つは、ふだんから時間を計って過去問を解くという、当たり前のことをやっていないからだ。 (笠見未央『センター前ヒット センター試験でこけない68の法則』高陵社書店) ~


 本番の時間を想定するとはどういうことか。簡単だ。時間を測って問題を解けばいい。


 ~ 時間切れを防ぐには、必ずストップウオッチで時間を計って問題を解き、日常の勉強で本番の緊張感を演出しなければならない。センター過去問演習にストップウオッチは必需品だ、陸上部でストップウオッチ無しの練習は考えられないように。 ~

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三日、三ヶ月、三年

2014年11月04日 | 学年だよりなど

  学年だより「三日、三ヶ月、三年」

 アンチエイジングの専門家としてテレビ出演することも多い南雲吉則先生は、もともと乳がんの専門医だ。南雲ドクターはこれまで、患者さんと余命について話す機会も多っかった。
 「かりにあと三日の命だったら、どうする?  何をしたい?」
 患者さんにそんな質問をしてみるという。
 みなさんは、どうだろう。実感は持てないと思うが、仮にあと三日の命だったら何がしたい?
 そう問うた時、多くの患者さんは「おいしいものを食べたい」「お酒をのんで遊びたい」というように、目先の快楽を求めるそうだ。
 では、三ヶ月の命と言われたらどう考えるか。
 「海外旅行に行きたい」「しばらく会ってなかった人に会っておきたい」
 人間は、三ヶ月ぐらいの中期目標を求められると、非日常を求める。
 では、あと3年の命と言われたら、どうするか。
 みなさんなら、どうだろう。
 とりあえず受験やめる?
 そういう人もいるかもしれない。
 受験をやめてどうするのか。海外旅行に出る? 好きなことをする?
 そもそも好きなことって何だ。
 毎日ゲーセンやカラオケに行ってところで、数日でむなしくなるにちがいない。


 ~ ぼくが出会った患者さんの中で、余命3年と言われた人のほとんどが、こう答えた。
「家族との時間を大切にしたい」、「今の仕事をこのまま続けて、やり遂げたい」。
 人間は3年ぐらいの長期の目標を聞かれると、日常に人生の目標を見いだすんだ。
 命が限りないものだと思っていたときには愚痴をこぼしていた家族や仕事が、実はかけがえのないものだったことに、気づくんだね。
 今のこの人生のためにあなたは今、生きているんだよ。
 そう考えたら、家族と一緒に過ごせることに幸せを感じるだろうし、働けることにも幸せを感じられるよね。 (南雲吉則「教えてナグモ先生 大人気ドクター相談室」より) ~


 あと三年の命を大事にしたいと考えたときに、頭に浮かぶもの。それこそが、日常的に大切しなければならないものだと南雲先生は言う。


 ~ ぼくはそのことに気づいたときに、生きていることに感謝するようになった。どんな仕事でもありがたく引き受けるようになった。そして百の仕事があろうが千の悩みがあろうが、いま目の前のことだけに没頭することにしたんだ。
 だって一度にたくさんのことはできないんだから。前のことは悔やまない。先のことは案じない。ただ目の前にことに心を集中する、そう“一意専心”の気持ちが大事だね。 ~


 家族に支えられながら、目標に向かって勉強できる毎日が、どれだけ幸せなことか。

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にじの家

2014年11月03日 | 日々のあれこれ

 文化の日恒例の、「にじの家ふれあい祭り」演奏。
 一時雨予報が出ていたが、案の定晴れた。ここ十年ぐらい、11月3日はぜったい晴れている。
 今年はいつも通りのJpop演奏のあいまに、楽器紹介、合唱、シングアロング、ボディパーカッションと、細かく盛りだくさんにしてみた。
 終わったあと、何人もの方から、楽しかったよ、来年も来て、演奏会ないの? とお声をかけていただく。
 三年前に合同練習をさせてもらった久喜高校吹奏楽部OGさんが、ボランティアで来てて、演奏よかったですよ、と寄ってきてくれた。
 ありがたいことだ。コンクールでは最近なかなか結果出てないけど、こうやってたくさんの人に楽しんでもらうという大事な仕事ができてよかった。
 他人のために演奏できる、聞いていただけることはほんとに幸せだ。
 元衆議院議員の杉村太蔵さんが、明石家さんまさんとこんな話をしたことがあるという。
 元々バラエティ番組に興味はなかった杉村さんが、さんまさんに「政治家とタレント、どっちがいい?」と尋ねられる。
 迷わず「政治家です」と答える。
 「橋を作り、道路を作り、空港を作り、図書館を作れる。世の中を動かすことが出来る面白い仕事ですよ!」と。
 さんまさんがつぶやく。
「そおかぁ。でも、俺たちは笑顔を作れるから」
 くうっ。かっこいいなあ。
 たくさんの人の笑顔を作ること。
 男のなすべき仕事とはまさにこれだ。

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花園予選

2014年11月02日 | 日々のあれこれ

 昨日は、本校ラグビー部が花園予選の準々決勝に臨んだが、浦和高校さんに10対15で惜敗した。春の大会が5点差負けだったので、今度こそはと選手達も思っていただろう。3年生で最もおそくまで引退せずにがんばっているメンバーを見ると、勝たせてあげたいと思っていた。
 仮に勝っても次の深谷高校さんにはさすがに厳しい戦いになるだろうが、浦和さんには一矢報いたい。浦和に落ちて本校に来た子がけっこういるうちとしては、他のスポーツではたいがい負けないが、ラグビーでも一泡吹かせたいと思ってた。

 先制点を奪ったものの、こちらの反則などもあって逆転され、後半には10点差つけられる。終盤にトライ一つ返して5点差。残り時間は少ないが押している。 でも、もうラストプレーかという場面。職員室でテレビを見ている教員たちも緊張していた。「川越東のキャプテンは実は浦和が第一志望で … 」って、そのタイミングでアナウンスするかな。
 「その情報いま要る?」「彼はな、骨折も乗り越えて、何十㎏も体重増やして、勉強も部活も両立してがんばってるんだよ」「わるかったね、第二志望で」
 なんて思いがうかんできて微妙な気分になった。

 そういえばクドカンの「ごめんね青春」第3回で、堀越高校のなまえが、お勉強できない学校とうけとられる文脈で用いられて、テレビ局が謝罪することになったという。
 騒ぐほどのことではないと思うのだが。天下の浦和高校さんに比べたら、ほとんどの学校はお勉強できない学校だ。軽い自虐ネタぐらい、笑ってスルーできないと、ほんとに頭わるい人に見えてしまう。
 学校的勉強の出来不出来でしか人間をはかれない人は、かえってこういうことに敏感になってしまうものだ。

 第一志望に落ちて本校に来た生徒たちは、その時の気持ちをどれくらい引っ張っているのだろう。いま持っている三年生たちを見るかぎり、そんなことを気にする暇さえ無く、がんばっているように見える。
 思えば、自分も公立の採用試験に落ちた後に、拾っていただいたのだった。すぐに切り替えて働けていた自信はないが、今はここにきてよかったと思う。
 高校入試も大学入試も一校しか受けずに合格した。教員採用試験にまで何となく受かってしまっていたら、どんなに不遜な人間になっていたことだろう。落ちておいてほんとによかった。

 テレビ埼玉への違和感や自分の屈託とは別に、ノーサイドのあとの両校の選手達のようすは、実にさわやかな高校生達の姿だった。やり切った3年生たちを誇りに思う。

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竜退治の騎士になる方法(4)

2014年11月01日 | 学年だよりなど

  学年だより「竜退治の騎士になる方法(4)」


 竜退治の騎士になるには、スリッパをそろえないといけない。
 「自分がなりたいのは竜退治の騎士であって、スリッパ係ではありません。騎士になる方法を早く教えてください」という人には、騎士への道は開けない。
 落語家になろうとして師匠に弟子入りを許されると、当分の間、師匠の家のそうじや寄席の楽屋での雑用が続く。
 立川流(故立川談志門下)にいたっては、多くの弟子が築地の魚河岸で働かされた経験をもつ。
 「こんなことをやりたいんじゃない、早く噺を教えてください」と訴えると破門されるのだ。
 板前になろうとする者は、まずは「追い回し」と呼ばれる雑用係からはじまり、毎日をそうじ、洗い物、ひたすらタマネギをむくといった地道な仕事が続く。当然のことながら料理のやり方などは教えてもらえない。
 武道の修業も同じだろう。師から直接「技」を教わることなどはまれだ。
 師と同じ空気を吸い、同じものを見、同じもの感じようとすることこそが修業だ。
 そのことに一点の疑いも抱いてはならない。修業は論理ではない。
 ジェリーが言ってたように、騎士は「生き方」なのだ。
 何の職業でも、たんにお給料をもらうためにいやいや時間を過ごしている場合、そこにあるのは「作業」だけになる。
 自分なりに工夫し、何かを作り出している、ちょっとしたことでも誰かのためになっているという意識が生まれたとき「仕事」になる。
 お金を儲けよう、生活を支えたいという気持ち以前に、それをやらずにいられない「職業」になったとき、もはや「生き方」になる。
 しかし、その境地にたどりつくためには、スリッパをそろえるところからスタートしなければならない。
 普通の会社務めでも、同じことは言えそうだ。
 「自分は、こんな雑用ばかりやるためにこの会社に入ったんじゃない」と言って、すぐに辞めてしまう人は、そのままでは何も身につけられいまま、転職を繰り返すことになる。
 「スリッパをそろえました、次は何をやればいいですか?」と質問する人も騎士にはなれない。
 本気でスリッパをそろえたなら、次の課題には自然と気づくようになるはずだから。
 逆に考えると、次に何をやればいいかわからない状態というのは、本気でスリッパをそろえきれてない状態だとも言える。
 物事がうまくいってない時とは、その「物事」以前にスリッパをそろえていないのだ。
 岡田淳作『竜退治の騎士になる方法』の寓意は、他にもあると思う。
 たとえば、「好きなことをやってたら、食うていくのは、なんとでもなるもんや」という言葉。
 主人公の「ぼく」は、この出来事のあと、好きなアニメの道を目指してがんばりはじめる。
 たとえば、「目に見えるものだけが真実ではない」という言葉。
 竜退治の騎士なんているわけないやん、と最初から相手にしない人は何も気づけない。
 勉強が思うようにすすまないのは、自分の能力や勉強方法以前に、机の周りがちらかっていることが原因であったりする。

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