折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

夏の終わり、秋が少しずつ混ざり合って。

2007年10月01日 23時53分05秒 | 秋分
                 □ 三つ一緒に咲いた夕顔、夏の終わり…。

◇ 十月になりました。
  いつもの月初のように、私んちのカレンダーもちりばめてます。
  私の一番好きな月、誕生月だから?
  パット・オースチンのような落ち着いた存在感のある、
  橙色で10月とあったら、もう最高です。

          
           □ カレンダー「トスカーナ」は「サン・ジミニャーノ」の秋。
          
                  
                □ ほったらかしだった「甘木りんどう」
                  でも、ここには秋、十月が…。

◇ 次に好きなのは、4月。
  これは、たとえばヘリテージのような、やわらかなピンクの色です。

          
           □ 枝垂れ咲きの朝顔が、斑入りの葉とともに健在です。

◇ その次の6月は、単に6という数字が好きだから。
  これは萌葱色がいいですね。

          
          □ ローズマリーを背景に、西洋朝顔「ヘブンリーブルー」

◇ 旧暦では、ご存じのとおり、神無月(かんなづき)といいます。
  大国主命(おおくにぬしのみこと)を始めとする八百万(やおろず)の神様が、
  出雲大社(当の大国主命が祀られてます)のサミットで出払ってしまいますので、
  出雲の国以外は神無月と呼ばれるんだそうな。

     
      □ ゴッホ「種まく人」 左下に「神無月」の縦書きが…。

◇ で、当の出雲の国では「神在月」(かみありづき)だとか。
  どうも眉唾ものと言ったら叱られますかね、このお話は…。
  日本語には漢字の当て字がありますが、一方的で客観性に欠けるようで、
  それが信心と言うものなら、部外者は黙り込むしかないですが…。

         
                □ イングランドのノーザンプシャー

◇ 別の説、神の月。
  私には、その神にささげる月に思えます。
  つまり神嘗月(かんなめづき)とか醸成月(かみなんづき)と言われてるように、
  新嘗祭の準備とか、新米で新酒を醸造する、その取り掛かりの月だというのが、
  より一層いにしえ人の生活に密着した由緒ある話に思えます。

      ※ 神嘗祭…当年の新穀を大御饌(おおみけ)として、
              伊勢の大御神(天照大神)に奉る伊勢神宮の祭儀。
      ※ 醸成月…新穀により酒を醸す月

          
                       □ ローマ

◇ 私の誕生月に免じて、こんな固いお話で始まって許して下さい。
  ずっと、硬い話ですが…。
  高校生の頃、あれだけ得意だった古文の丸暗記も、
  この頃は字数の極端に少ないものしか覚えていません。
  徒然草なら、第一段とか有名なこの第三十一段とか…。

          
             □ こんなに朝顔が咲いているのに、
               神無月の頃もあったものではありません。

◇ 第三十一段

    雪のおもしろう降りたりし朝、人のがり言ふべき事ありて、
    文をやるとて、雪のこと何とも言はざりし返事に、
    この雪いかゞ見ると一筆のたまはせぬほどの、
    ひがひがしからん人の仰せらるゝ事、聞き入るべきかは。
    返す返す口をしき御心なりと言ひたりしこそ、をかしかりしか。

    今は亡き人なれば、かばかりのことも忘れがたし。

               
                □ ボッチチェリ「モーゼの試練」(バチカン美術館)

(現代語拙訳)
 
    雪が趣深く降っていた朝に、ある方に言わなければならないことが
    ありましたので、手紙にして送りました。
    ただ、用件を書いただけで、雪のことは何の感想すら書きませんでした。
    そうしましたら、その返事に、この雪についてどのような感慨を持たれるのか、
    一言もおっしゃらないような、風流すら感じることのできない、
    単なるひねくれ者のようなお方のご依頼事を聞き入れることなど、
    到底できかねます。
    いくら考えても残念としかいいようのないお心です、と書かれていたのは、
    たいへん面白くもあり、趣のあることでした。
 
    その方はもう故人となられたので、そんな些細なことも忘れられないでいます。

               
                  □ 徒然草とは何の関係もないローマの一日一日
                    香り高いカプチーノが飲みたいなあ。

◇ この徒然草の話は、旧暦十月にまつわるものとは関係ありません。
  お花は、新暦十月一日の今日の朝と夕べの花達でした。

     
       □ 西洋朝顔ヘブンリーブルーとペンタスのコラボは、
         最初は思いもよりませんでした。

◇ BS2の映画「永遠のマリア・カラス」を横目でちらっと見ながらですから、
  更新も何だか長いこと時間がかかります。
  こんな歌が聞こえて来ました。

  ☆ プッチーニ(Giacomo Puccini 1858-1924)の
    歌劇「ジャンニ・スキッキ(Gianni Schicchi 1918)」から
    アリア「私のお父さん」(O mio babbino caro)

    これは、フィレンツェが舞台の映画「眺めのいい部屋」に流れてました。
    また、CMでもよく使われてますから、ご存じの方も多いでしょう。

  ☆ ビゼー(Georges Bizet 1838-75)の歌劇「カルメン」(Carmen 1875)から
    「ハバネラ」(Chanson du “Habanera”)などが聞こえて来ます。
    これも有名なアリアですね。

          L'amour est enfant de Bohême,
          Il n'a jamais, jamais connu de loi;
          Si tu ne m'aimes pas, je t'aime,
          Si je t'aime, prends garde à toi!

              恋はジプシーの子よ
              法も理窟もなしよ
              すげなくする人に
              あたしは焦がれる         (堀内敬三訳詞)

          
             □ ローマのサンタンジェロ城のカレンダーです。
               歌劇「トスカ」の悲劇の幕引きの舞台でもあり、
               マリア・カラスが一番輝いたオペラかもしれません。

               映画「ローマの休日」で、この近くのテヴェレ川での
               ダンスパーティーがあったように記憶しています。
               散髪屋さん?にオードリー・ヘップバーンが誘われた…。
 
◇ マリア・カラス(Maria Callas 1923-77)
  真紅の薔薇が、一番似合う永遠のソプラノ、永遠の歌姫だと私は思います

          
             □ レオナルド・ダ・ヴィンチ(AT/CL)
               真紅の薔薇が咲いていないので…。
               向こうに涼しげな朝顔がぼんやりと見えます。
  
          
            □ これも私の部屋のカレンダー「岩窟の聖母Ⅱ」部分
              レオナルド・ダ・ヴィンチの助力作品?
 
コメント (6)
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