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ブランドン・ラウス マント スーパーマン・リターンズ
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あやめ横丁の人々
命を狙われた旗本の三男坊の主人公が「あやめ横丁」という場所に逃げ込み、そこでの出来事とそこを離れるまでの経緯を綴った時代小説。作者自身「あやめ横丁のような場所が江戸にあったという設定には無理があるが、それでもあえてそういう設定にしたかった」とあとがきで書いているが、読んでいて無理やりのような不自然さは感じなかったし、ごく自然な感じで面白く読むことができた。100%のハッピーエンドではなく、むしろ最後は残酷な結末なのだが、それでいて心静かに読み終えることができる。それは、この作品のなかで、因果応報という非情の概念と、自分の運命は自分で切り開くという考えが、微妙なバランスを保っているからではないかと思う。(「あやめ横丁の人々)宇佐江真理、講談社文庫)
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