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Future Watch 書評、その他
山魔のごとく嗤うもの 三津田信三
前作「首無しのごとく祟るもの」が面白かったこともあり、続編らしき本書を本屋で見かけた時、いずれ読もうと思って買っておいたのだが、いろいろなランキングで高順位を獲得しはじめたので、早速読むことにした。前作同様、非常に良く練られた内容で、しかもミステリーの論理的な謎解き部分とホラー小説の不可思議部分がちょうど良くミックスされていて、高い評価を受けているのが良くわかる。事件の内容は絵空事過ぎるような気もするが、土着信仰のようなものは都会人には判らないかもしれないと、何となく許してしまえそうな感じだ。また、本書では、ミステリーでたまに使われるトリックが何重にも使われているのだが、本来そのトリックを使う際は、慎重にいろいろな設定に工夫をして使うのが一般的である。それは、このトリックを使うとかなりリアリティが損なわれることをミステリー作家は知っているからだと思う。そのトリックをいくつも使うことで成り立つ話というのは、ある意味ルール違反のような気もするが、このトリックでこうした新しい面白い話ができあがるのであれば、それも良しとしたい。とにかく話に謎が多くて記憶できないほどなのだが、最後の方で探偵自らが「これまでの謎」を箇条書きにしてくれている。これは大変ありがたい。「山魔のごとく嗤うもの」三津田信三、原書房)
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キャロライン・マンロー ナオミ サイン 007

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