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小暮写眞館 宮部みゆき

著者による久しぶりの書き下ろし長編小説ということで、ベストセラー上位にランクインしている本書。700ページのかなり重たい本だが、ゆっくり読むために、フライトの待ち時間が多い今回のミャンマー出張に持っていって読んだ。物語は主人公である高校生の生活を中心に進み、大きな事件は皆無だが、小さな謎が読者を惹きつけながら、小さな心配事を残しつつ進んでいく。最終話で、それらの心配事がほぼ晴れ渡たり、未来への道筋を暗示しながら終わるストーリーは、見事というしかない。今年度の本屋大賞その他の賞の第一候補と言うべき傑作だと思う。主人公が住む「ショーウインドウ」のある家というのがとても魅力的で、こういう家も良いだろうなぁと強く感じた。出張では休息もそこそこに読みふけってしまった。(「小暮写眞館」宮部みゆき、講談社)
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