goo

謎解きはディナーの後で2 東川篤哉

本屋さんで買うのが恥ずかしいくらいの大ベストセラーの続編。前作を読んでから本作を読むまでに既刊の著者の本を10冊くらい読んだので、本書の作者にとっての位置づけが良く分かったような気がする。まず本シリーズは、他の作品比べて、ユーモアの度合いが強い。他の作品では、登場人物は至って真面目、心の中で茶化す程度のドタバタが多いが、本シリーズは登場人物の設定、存在そのものがパロディのようになっている。その一方で、ミステリー部分の方も、短編にするのは惜しいくらいのアイデアを盛り込む。こうした両者の濃い味付けを短編で楽しむというのが本シリーズの基本的なスタンスだろう。著者の作品の中では、短編集はこれが3冊目だが、こうした軽い短編を読んでしまうと、読者としてはなかなか長編には戻りにくいような気がする。読み手としてはそれはそれで良いのかもしれないが、書く方はアイデアを出すのがさぞかし大変だろうなと思う。質の高い面白い短編集、読者としては1年に1冊2冊読めれば御の字というところだ。(「謎解きはディナーの後で2」 東川篤哉、小学館)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )