goo

ステップファーザー・ステップ 宮部みゆき

本屋さんで本書を見かけ、見慣れない表紙に「?」と思ったが、帯に2012年春に連続TVドラマ化されると書いてあるので、おそらくそのドラマ化に合わせて表紙を新装したのだろう。それに釣られるような形になってしまったが、まだ未読だったので読むことにした。内容は、子ども2人だけで暮らす双子の兄弟と、職業が泥棒という男が主人公のミステリー短編集だ。短編によって出来不出来はあるが、総じて謎解きよりも主人公達の掛け合いが楽しい。20年前の作品で既に100万部を超えるベストセラーとのことで、さすがにやや古めかしい部分はあるものの、ほのぼのとしたストーリーは、最近の「イヤミス」とはかけ離れた温かみがある。読み終わって、すぐにでも続編が読みたいと思ったが、これだけのベストセラーにもかかわらず、まだ続編が書かれていないらしい。20年前に読んで、20年間続編を待っている人もいるだろう。主人公の双子がどのように成長していったのか、是非本書の続きを知りたいものだ。(「ステップファーザー・ステップ) 宮部みゆき、講談社文庫)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )