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激変・ミャンマーを読み解く 宮本雄二

ミャンマーという国の歴史についての本を読むのは本書が初めてだが、改めてミャンマーという国は興味深い国で、日本が最も大切にしなければいけない国の1つだという感を強くした。本書を読むと、「ミャンマーの軍政は悪」という考えも「スーチーは欧米の代弁者」という考えも、いずれも物事の一面しか見ていない意見だということが判る。本書は、ミャンマーの近代史を「安定」「統一」「誇り」の3つのキーワードで考えるというシンプルなものだが、他の色々な考え方よりもより良くミャンマーがたどってきた道を説明してくれる。ミャンマーには欧米への妥協以外の道として「中国・インド・ASEAN」という3つの傘という道があること、ミャンマーと日本の昔からのつながりの深さなどの指摘は大変興味深い。それを加味した上で日本にとってのミャンマーの大切さを説く本書は非常に説得力があると感じた。(「激変・ミャンマーを読み解く」 宮本雄二、東京書籍)

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