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2013年本屋大賞予想
今年の本屋大賞の候補作は11編。候補作が発表された時に既読だったのが3編。昨年も一昨年も候補作を全部読んだ上で予想できたので、今年もそうしたかったが、結果的には11編中9編を読んでの予想となる。まだ、発表までに日にちがあるので、それまでに読めるかもしれないが、色々読みたい本があって、「これを読まなければ」という読書はイヤなので、この段階で予想してしまうことにする。
自分としては、横山秀夫「64」と窪美澄「晴天の迷いクジラ」の2冊。横山秀夫は今更という感じが強いので、「晴天…」を本命としたい。
良い意味で予想を裏切ってくれたのが「晴天…」と百田尚樹「海賊と呼ばれた男」。いずれも前の作品があまり自分に合っていなかったという記憶があり、期待値が低かったからかもしれないが、驚くほど良い本だと感じた。西加奈子の「ふくわらい」も、この作家としては少し異色な作品だと思うが、それが却って印象的だった。山田宗樹「百年法」はあまり好きではない歴史改変SFだが、大変面白かった。良い本との出会い、良い読後感には、こうした意外性もかなり重要なんだなと再認識した。これに対して、著者ならではという感じだったのが原田マハ「楽園のカンバス」。著者の略歴をみると、これぞ著者が書きたかった作品ではないかと納得の1冊だ。中脇初枝「きみはいい子」は、自分 としてはややメッセージ性が強すぎるような気がした。 伊藤計劃・円城塔「屍者の帝国」は、著者への思い入れが強すぎたせいかもしれないが、何か娯楽性が置き去りにされているような感じで、読んでいてスカッとしないのが気になった。以上を踏まえて大賞作品を予測すると、①晴天の迷いクジラ ②64 ③百年法 ④ふくわらい ⑤海賊と呼ばれた男、と言ったところかと思う。
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