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かのこちゃんとマドレーヌ夫人 万城目学

当初、新書版で刊行された作品ということだが、文庫コーナーで見つけた。人気作家の新作を新書版で刊行するというのは非常に面白いし、読者にも有り難い企画だが、刊行されたことを周知する努力が単行本の時以上になされないと、結局その良さが生かされない気がする。作品は、いつもの著者の作品よりも若干軽めの内容だが、小さい女の子の主人公が友達と「難しい言葉遊び」をしたり、「ござる」を使ってやりとりする場面では、おもわず笑ってしまった。特に何もない日常と、想いっきり不思議な妄想が同居する独特の世界は、まさしく著者ならではのもの。とにかくこの作者には、どんどん作品を刊行してもらいたいの一言だ。(「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」 万城目学、角川文庫)

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