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金曜のバカ 越谷オサム

著者の本は2冊目。いずれも、若者の気持や生態をうまく捉えた嫌みのない短編集だ。それぞれの主人公が、色々なもののオタクだったり、何かに打ち込んでいたりで、ついかわいいなぁと思ってしまう。本書では、巻末の解説が秀逸。1つのキーワードを使って、本書に収められた5つの短編をうまく総括しているし、しかもそれぞれの短編を忘れ難いものにしている。さらに、著者の他の作品を読む際の指針のようなものまで教えてくれている。あまりこの解説が上手過ぎて、それ以外の読み方が出来なくなってしまうという弊害があるのではないかと思ってしまうほどだ。(「金曜のバカ」 越谷オサム、角川文庫)

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