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王とサーカス 米澤穂信

どんな小説か判らないまま読んだが、どんどん引き込まれて最後まで一気に読んでしまった。内容は、ネパールに滞在中のジャーナリストが王宮での殺人事件、その事件についてインタビューをしようとした軍人の殺人事件に遭遇するというミステリー仕立てのサスペンスだが、事件の謎を追いながら主人公がジャーナリストの倫理に思いを巡らす話が中心になっている。途中で出てくるハゲタカと少女の逸話は自分自身もよく覚えているが、そうした現実に触発されて書かれたことがよく判る、エンターテインメントを超えた作者渾身の作品だと思う。(「王とサーカス」 米澤穂信、東京創元社)

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