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その白さえ嘘だとしても 河野裕

階段島シリーズの第2作目。シリーズものを短期間に続けて読むことはほとんどないのだが、本作はなぜが続けて読む気になってしまった。それだけ第1作目の世界観が面白かったのと、その世界観が鮮明なうちに読んでしまおうという気持ちがそうさせたのだと思う。それから、第1作目の完結度が高く、続編を想定しにくい内容だったので、それがどう展開するのかが気になったという面もあった。読んでみて、このシリーズの最大の特徴であるシチュエーションはもちろんそのままなのだが、それを存分に生かしたストーリーというよりは、ファンタジー要素を自然にみせる仕掛けの1つという程度に後退している気がした。なるほどその設定ならば続編もありうるというか、いくらでも続編が書けるなぁと納得した。次に続編があるとしたら、シチュエーション自体に対するファンになるか、作者の作る物語そのものに対するファンに(なるか、第3作あたりがその分かれ目になるだろうと感じた。「その白さえ嘘だとしても」 河野裕、新潮文庫)

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