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ジャイロスコープ 伊坂幸太郎

文庫が発売になってすぐに入手したのだが、著者の短編集というのは珍しい気がして、大いに期待しながら、出先で読むのを楽しみにとっておいた作品だ。全く関係のない短編が収録されている短編集だが、それぞれ著者らしい特色のある作品ばかりでとても面白かったし、著者の作風の幅の広さのようなものも感じられて楽しかった。最後の書き下ろしの一編も、それまでの登場人物が色々顔を出したりしていてしゃれているというか、読者へのサービス精神のようなものが強く感じられて良かった。巻末の著者へのインタビューの中で、著者自身は「読者が自分の作品に期待しているもの」として、「伏線とその回収」「風変わりな登場人物」「面白い会話」の3つを挙げていたが、まさにそれが自分の期待していたもののような気がして、なるほどなぁと感心してしまった。(「ジャイロスコープ」 伊坂幸太郎、新潮文庫)

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