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神話ゲーム 鯨統一郎

シリーズの第2作とのことだが、既読の第1作目のことはほとんど記憶になくなっていた。読んでいくうちにかなりは思い出してきたが、それでもなぜかこんな話だったかなと首をかしげてしまう感じがした。自分の記憶では第1作目はもう少し「歴史ミステリー」の色が濃かったような気がしたのだが、本作ではそうした歴史ミステリーの部分はとってつけたような感じでおざなりな話に終始していて、話の中心が学園内権力闘争になってしまっているような感じだ。面白い設定のミステリーが巻を重ねるうちに、登場人物の行く末に話の中心が移ってしまうというのは、長く続くシリーズものにはありがちなことだが、早くも2作目でそうした雰囲気になってしまっているというのは、登場人物の造詣が面白すぎるからなのか、ミステリーのネタが早くも尽きてしまってやむを得ずそうなってしまったのか。本書の場合は、その両方の要素があるような気がする。(「神話ゲーム」 鯨統一郎、PHP文藝文庫)

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