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絶歌 元少年A

この本を買うことで作者に何某かの印税が渡る、この本が出版されること自体で被害者の遺族が苦しむといった理由で、出版されること自体が問題になり、購入しない公立図書館もあるという。そういったことで、本署を購入すること自体に躊躇もあったが、著者のような人間の更生とはどのようなことなのか、そもそも更生の方向に向かっているのか、それを知るために読むことにした。人の親として、加害者の親にもなりうるという感情は、当時の世の中の多くの親が抱いた恐怖だった。本署を読んだ印象は、依然すべての関係者が当時の苦しみから抜け出すことができないでいるということ、著者の更生の道のりは遠いということだ。何かをやり直すとか、生まれ変わったような気分で出直すとか、そうした言葉がきれいごとにしかならないほど人の一生は短いという思いにかられて暗澹たる気持ちにさせられた。(「絶歌」 元少年A、太田出版)

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