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悲しみのイレーヌ P・ルメートル

衝撃的だった「その女アレックス」「花婿に市のドレスを」の作者の翻訳の第3弾。書かれたのは「その女…」の前で、このシリーズの第1作だという。読む順番は逆になってしまったが、その点はあまり気にならずに読むことができた。本署の内容は、既読の2冊以上の大仕掛けにとにかくびっくりさせられる。同じような仕掛けのミステリーは無いわけではないし、すでにどこかで読んだような気もするのだが、この仕掛けをデビュー作で使うところがびっくりだ。「その女アレックス」の衝撃的な内容も、本作を読んだことのある読者ならば、まさに「期待通り」というところなのかもしれない。内容の面白さはもちろんだが、とにかく、この作家、こういうデビューの仕方をしたのか、こういう作風なんだ、ということが判って面白かった。(「悲しみのイレーヌ」 P・ルメートル、文春文庫)

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