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診察室に来た赤ずきん 大平健

精神科の医師が、様々な患者の心の問題を、おとぎ話に含まれた教訓から解きおこしていくという、一風変わった内容のエッセイだ。新横浜の良く行く本屋さんで推薦していた1冊で、本屋さんと出版社がタイアップして復刻されたとのこと。内容的にはやや古い感じのものもあるが、総じて今書かれたといっても通じるような新鮮を感じさせる内容だ。心の問題はいつの時代も変わらないという見方もできるし、この分野の治療方法が試行錯誤の連続なんだということを如実にあらわしているようでもある。最後の方で、「自分の物語を見つけてみてはどうか」という問いかけがあり、それが一番心に残った。(「診察室に来た赤ずきん」 大平健、新潮文庫)

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