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浜村渚の計算ノート6 青柳碧人

シリーズの7冊目ということで、題材になっている数学のトピックもだいぶマニアックになってきたような気がする。これまでは、数学の素人でも一度くらいは聞いたことがあるような数学的なテーマがストーリーの要に据えられていたような気がするが、本書では全く聞いたことがないようなテーマばかりが並んでいる。但し、それが欠点かというとそうでもなく、そうした馴染みのない話を分かりやすく話に織り込んでくれているので、むしろ今まで以上に興味深く読むことができたような気がする。一方、数学的問題とストーリーの合致という意味ではさすがに、ここまで来ると苦しい感じも否めない。なじみのない数学的なテーマと、それを必然と思わせるストーリ-展開の2つをどう融合させるか、これが本シリーズの今後の課題だと強く感じた。(「浜村渚の計算ノート6」 青柳碧人、講談社文庫)

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