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ミステリーマガジン700 杉江松恋

ミステリーマガジン700号を記念して編纂された過去の傑作短編集。同誌に掲載されたことがある作品で、かつ作家個人の短編集などに掲載されたことのない作品、という2つの厳しい縛りがある中での編集ということで、必ずしもオールタイムベストの作品が並んでいるわけではないが、それでも膨大な数の対象作品があるのだろう。2,3よく判らない作品を除いて、どれも大変ひねりのきいた佳作が並んでいるという印象だ。読んだことのある作家の名前は全体の半分程にすぎないが、その中でみると、短編の名手と言われる作家の作品が必ずしもとびぬけて面白いということでもなく、ここで出会った作家の作品をこれから読んでみるというのも一興かなと思う。作品の中で印象に残ったのは「子守」という作品で、最期の10行位のところで思わず声をあげてしまった。(「ミステリーマガジン700」 杉江松恋、ハヤカワ文庫)

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