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蜜蜂と遠雷 恩田陸

2017年の直木賞受賞作で、こちらも本屋大賞にノミネートされたので読むことにした。内容は、それぞれ個性豊かな4人の若いピアニスト逹があるコンクールの第一次予選から本選までを戦う様をひたすら描いたもので、最初はこれで最後まで行けるのかと心配したが、それぞれの音楽に対する考え方や取り組み方の違い、コンクールが進むにつれてそれぞれが競争相手に影響を与え合ったりする様子が細やかに描かれていて、最後まで楽しく読むことができた。特に凄いのは、書評などにもあるように、音楽を文章で表現する著者の巧みさ、表現のバラエティーの多さだ。ドラマチックな予想外の展開などはないのだが、著者の文章の巧みさを体感するだけで読む価値があると思わせるほど、繊細で心に響く一冊だった。(「蜜蜂と遠雷」  恩田陸、幻冬社)

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