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天皇「生前退位」の真実 高森明勅

今上天皇の「生前退位」の問題を分かりやすく教えてくれる解説書。巷では皇室典範の改正、摂政制度の活用、特別法の制定など様々な方策が議論されているが、著者は、摂政制度の活用は以ての外、特別法の制定も問題が多いとして、皇室典範の改正が正しい道だという。その辺りの解説は大変分かりやすく、自分のようなこの問題を初めて考えるものにもとても納得のいくものだ。その上で、著者は、皇室典範の改正の具体案まで提示している。著者は、さらに皇室典範の改正にあたっては、皇室の存続問題を踏まえた改正を行う必要があると指摘する。著者の言うように、30年後の皇室を想像するととんでもないことになっているのは確かなことで、今のうちに何とかしておくべきという意見には非常に説得力がある。もしかしたら、そちらの方が大きな問題なのかもしれないとさえ感じた。(「天皇「生前退位」の真実」 高森明勅、幻冬社新書)

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