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おくのほそ道殺人事件 風野真知雄

帯に時代劇エンターテイメント小説の有名作家の唯一の現代小説とある。著者の時代小説は、ミステリー要素のある江戸時代の奇譚集とも言うべき「耳袋秘帖」シリーズ全7冊を読んだことがあるが、江戸時代とはこういう時代だったのかという小さな発見が随所にあって面白かった。本書も、ミステリーとしては軽い感じだし、淀みない文章と変に凝らない展開で、肩の凝らない読書を楽しむことができた。途中、自分の別の時代劇シリーズのドラマ化の宣伝のような話が出てきて、思わず笑ってしまった。主人公は、歴史研究家と女性刑事のコンビだが、ぜひこれはシリーズ化してほしい作品だ。(「おくのほそ道殺人事件」 風野真知雄、実業之日本社文庫)

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