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バカが多いのには理由がある 橘玲

先日前作を読んで面白かったので、続けて本書を読んでみた。不遜で挑発的な題名だが中身はいたって全うな内容。前作よりも一つ一つのテーマについての文章が長めで、比較的じっくりと読むことができた気がする。内容は、前作同様、政治・経済・社会に関する批評文集だが、敢えて一般的な通説とは異なる意見を述べるという著者のスタンスが良く表れている。日頃何となく胡散臭いと感じていることの本質のようなものをズバリと指摘してくれるのが痛快だし、その意外な指摘になるほどと感心させられるのも著者の本の醍醐味だ。本書で語られているブラック企業の根源が日本的雇用制度にあるという指摘は、全くその通りだと思う。また、エピローグで語られるフェアトレードや人権NGOに関する不愉快な真実には心底驚かされる。もう次の三作目が刊行されているというので、読むのが今から楽しみだ。(「バカが多いのには理由がある」 橘玲、集英社文庫)

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