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楽譜と旅する男 芦部拓

出張先で立ち寄った本屋さんで購入した一冊。そのため、全く予備知識もなく、どんなジャンルの本かもわからずに読み始めた。内容は、色々な時代の色々な国の歴史的なエピソードにある音楽が絡んでいたという設定で、その楽譜を巡る不思議な話が語られている。不思議な話ではあるが、何となくありそうな気もする話で、そのあたりの現実と空想のバランスが良いからか、最後まで面白く読むことができた。こうした空想話は、ミステリーと違って、最後の落としどころをきっちりとさせる必要性が弱いので、とにかく読んでいて面白いかどうかがその本の評価の鍵になる。その点、本書は音楽にさほど興味がなくても読ませる内容になっていて良かったと感じた。(「楽譜と旅する男」 芦部拓、光文社)

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