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日本史のミカタ 井上章一他

ベストセラー「京都ぎらい」の著者と、テレビで見たことがある歴史学者の対談集。京大と東大、歴史を専門としない学者と歴史を専門とする学者という対照的な学者の組み合わせが面白そうなので読んでみた。歴史を専門としない学者が直感と推論から仮説を提示し、それを史料の検証を長年積み重ねてきたもう一方の学者が反論したり補足したりする。そのやりとりが、予想通り面白かった。東大と京大の戦いは、邪馬台国論争などでそういうものが歴史学会にあることは何となく知っていたが、他にも色々あることがわかった。素人の自分には、直感を大切にした仮説の方に与したいことが多かったような気がする。歴史学者の方は、学界では比較的派閥のしがらみを超えて発言している人のようなのだが、それでも師弟関係などからは完全に自由になれない、そんなことを感じた。いずれにしても、企画の勝利という一冊だ。(「日本史のミカタ」 井上章一他、祥伝社新書)

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