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六法推理 五十嵐律人

法学部4年と経済学部3年の学生コンビが「無料法律相談所」という大学の自主サークルに持ち込まれる事件やトラブルを法律知識と推理で解決していく連作ミステリー。法曹の資格を持たない学生2人が主人公で相談者たちも学生なので、相談や事件の内容は今時のものが多い一方、相談に来た学生が数日後に謎の死を遂げたり校内で放火事件が発生したりで事件の内容はかなり深刻だ。さらに、学生が主人公ということで、ちゃんとした弁護士などとは違う大きな制約があり、必ずしも事件がスッキリ解決しないこともある。短編5つどれも法律知識のトリビアが満載で面白かったが、特に「認諾」と「親子関係の法律」を扱った作品は、法律というものの意味を深く考えさせられる内容だった。(「六法推理」 五十嵐律人、角川書店)
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