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彼女の家計簿 原田ひ香

終戦前後に1人の女性によって書かれた数冊の家計簿を媒介として三代に渡る母娘の歴史が語られる一冊。主要な登場人物全員が女性で色々迷いや困難に直面しつつも気丈に生きようとしているのに対して、脇役の男性は俗物中の俗物や体裁ばかり気にする偏屈男ばかりで、読んでいて何だか申し訳ないような感じだ。戦時中の困難、その後の女性の職場進出、ジェンダーを巡る様々な偏見などいくつもの社会問題が扱われていて、その中から世の中で変化したものと依然として残っているもの、大切なものは何かといったことを考えさせられた。(「彼女の家計簿」 原田ひ香、光文社文庫)
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