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2023年のベスト10

読んだ本の冊数はここ数年150冊前後で落ち着いている。今年はノンフィクションで面白かった本が多かったような気がする。まずフィクションの方は、以下の10冊が特に印象的だった。

①ホリージャクソン「自由研究には向かない殺人」3部作
今年最終話が刊行されたので、この機会にと3部作を続けて読んだ。第1作の比較的爽やかなミステリーから次第に主人公が追い詰められていく展開が衝撃的だった。主人公がSNSやインターネットを駆使して真相を暴いていくスタイルは、日本作家の作品にも見られるように、ミステリー界に大きな影響を与えたような気がする、
②永井紗耶子 「木挽町のあだ討ち」
時代小説はあまり読まないが、本書は単純に面白いと感じた。途中で「もしや?」と思ったが題名に施された仕掛けまでは気が付かなかった。ベスト10には入れなかったが、時代小説では青木文平の「本売る日々」も良かった。
③キムボヨン 「どれほど似ているか」
SF的な思考と現代社会への告発が融合した各短編にびっくり、韓国SFの凄さを見せつけられた一冊。韓国の小説では世界に衝撃を与えたチョ・ナムジョの「82年生まれ、キムジヨン」も今年読んだが、キボヨンのSFもジャンルは違うがしっかりその流れを継承している。
④丸山正樹 「デフヴォイス」
TVドラマにもなった話題作だが、コーダという言葉、手話にも色々な種類があること、口話法に拘ることへの問題提起など、知らなかったことの多さに驚かされた。
⑤津村記久子 「水車小屋のネネ」
各方面で今年度ベストの呼び声高い一冊だが、とにかく物語自体の面白さに圧倒された。
⑥宮島美奈 「成瀬は天下を取りにいく」
主人公の前向きな姿に「いいなぁ」と思った。自分もM1グランプリに出場してみようかと本気で思った。
⑦詠坂雄二 「5A73」
一つのキーワードをここまで徹底してこねくり回す著者の緻密な構成に脱帽。
⑧杉井光 「世界でいちばん透きとおった物語」
最後の一行にビックリし、その後で最初から各ページを見直してしまった。著者だけではできないすごい仕掛けを実現させたことにとにかくビックリ。
⑨楊双子 「台湾漫遊鉄道のふたり」
鉄道好き、グルメ好きの本かと思ったが、読者にとてつもなく大きなテーマを突きつける一冊。
⑩呉勝浩 「爆弾」
最初から最後まで息をつかせぬ面白さ。

続いて、ノンフィクションで面白かった5冊。この中では若者の支持を集めているという成田悠輔の本が最も衝撃的だった。
①高野秀行 「語学の天才まで一億光年」
②沢木耕太郎 「天路の旅人」
③堤未果 「ショックドクトリン」
④全卓樹 科学夜話シリーズ「銀河の片隅で科学夜話」「渡り鳥たちが語る科学夜話」
⑤成田悠輔 「22世紀の民主主義」

2010年132,2011年189,2012年209,2013年198,2014年205,2015年177,2016年218,2017年225、2018年211、2019年155、2020年128、2021年163、2022年158、2023年151

2023/12/31
読んだ本 2804
観劇など 238
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