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地雷グリコ 青崎有吾

書評誌で紹介されていた好きな作家の最新作。高校生たちがグリコ、神経衰弱、じゃんけん、ダルマさんが転んだ、ポーカーというお馴染みの5つのゲームでバトルを繰り広げる連作短編集。面白いのは、こうした子どもの遊びにちょっとした独自ルールを加えることで、運だけではなく知的な推理や心理戦という要素が加味されること(地雷グリコ、坊主衰弱、自由律じゃんけん、ダルマさんが数えた、フォールームポーカー)。主人公たちは、厳格なルールの隙間を突いたり、奇抜なアイデアやちょっとした表情や言葉で対戦相手を出し抜いたり翻弄したりする。緻密な推理の部分はある程度予測のつくものもあるが、「ダルマさんが数えた」「フォールームポーカー」の意表をつく展開には心底びっくりした。(「地雷グリコ」 青崎有吾、KADOKAWA)
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