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ブラック・ショーマンと覚醒する女たち 東野圭吾

大御所作家の最新作。元マジシャンの主人公が自分が経営するバーの客にまつわる事件を解決していくシリーズの第二弾で、短編5つが収録されているが、いずれも鮮やかな推理と登場人物や読者を欺く策略で見事に事件を収束させる内容。それぞれの短編はいずれも毒親、トランスジェンダー、親の認知症といった現代日本の世相が絡んでいて、さらに相続、臓器移植、成年後見人制度などに関する法律知識も関わっていて、かなり複雑。そうした中で主人公がとる行動は、法律や既成概念にとらわれない大胆なもので、それが物語の意外性と清々しさの源泉になっている。テンポの良さと細部へのこだわりも前作同様で楽しかった。(「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」 東野圭吾、光文社)
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