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成瀬は信じた道をいく 宮島未奈

前作がとても面白かったので続編を待っていたが、ようやく刊行されたので、発売日当日に購入した。最近読んだ本が総じて重苦しいものばかりのなか、本作は前作同様明るく前向きな内容で読んでいて本当に清々しい作品だった。本作でも大津市在住の女子高生成瀬あかりに関わる色々な人物、今回は地元についての自由研究に取り組むゼゼカラファンの小学生、大学受験が近い主人公を心配する父親、自分のクレーマー気質に悩む主婦、成瀬とペアで大津市観光大使になった女子大生といった面々の視点で話が進む。皆、成瀬の前向きな言動や考え方に勇気をもらう人々だ。最終第5話の「探さないでください」は、大晦日の朝に謎の書き置きを残して失踪する主人公をそれまでの4話の登場人物が総出で探し回る話。読み始めてすぐに結末がそうだったら面白いと思ったが案の定そうなってくれた。とにかくこのまま明るいままで進んでいく主人公を応援し続けたい、更なる続編を期待したいと思った。(「成瀬は信じた道をいく」 宮島未奈、新潮社)
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