goo

君を守ろうとする猫の話 夏川草介

著者の小説は何冊も読んでいるが、医療関係でないのは本書が初めて。本屋さんの新刊コーナーで見かけて面白そうなので読んでみることにした。内容は、喘息の持病がある本好きの中学生が、通い詰めている図書館から異界に紛れ込むというファンタジー小説だ。読書という習慣がどんどん少なくなっていく社会、コスパ重視で速読や要約本が好まれる社会、自分重視とか自由にという美辞麗句の元に人を蹴落としてでも得たいものを得ようとすることを是とする社会。こうした社会の変化に勇気を持って抗う主人公の活躍が描かれている。なお読んでいて過去に何かあったらしい人物が何人か登場し、しかもその辺りの事情が曖昧な表現に終始しているのでネットで確かめたら、本書はシリーズものの2作目で、本の帯にもちゃんとそう書いてあった。順番通りに読んだ方が良かったのか、順番にあまり関係ないストーリーなのかよく分からないが、衝動買いで面白い本に出会えることも多いので、まあいいかなと思った。(「君を守ろうとする猫の話」 夏川草介、小学館)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )