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聖乳歯の迷宮 本岡類

日本人研究者がエルサレムでイエスの聖遺物の可能性がある乳歯を発掘するところから始まる歴史ミステリー。同じ頃、その研究者の同級生が日本の青ヶ島で地元の伝説の調査中に謎の死を遂げる。この2つの事件の謎をもう一人の同級生であるジャーナリストの主人公が追う中でその主人公の周りで怪しげなカルト集団が不穏な動きを見せる。聖遺物の発見、青ヶ島の伝説、カルト集団の動き、この3つがどのように結びつくのか読んでいて全く予想もできなかったのだが、最後に見事に真相が究明される。ストーリー自体文句なく面白かったが、一番驚いたのは、青ヶ島という島が実在していて、その存在自体がものすごく謎に満ちていること。ネットで青ヶ島の画像を検索すると、ほぼ本書に書かれたような形状の正に絶海の孤島で、そこにちゃんと住民も何百人か住んでいるという。ものすごくハードルは高いが、何となく一度行ってみたいと思ってしまった。(「聖乳歯の迷宮」 本岡類、文春文庫)
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