東京オリンピックの映画が二本あった。一本は市川崑監督の映画で学校で見せてくれた。時の佐藤栄作首相は痛く御不満で、これは「オリンピック記録映画」ではないと言って、また記録に徹した映画をもう一本造らせた。
市川崑はそれを聞いて「私は“映画”を創っただけだ」と言って取り合わなかった。
私はその時にどっちでも良かったけど、映画には記録とそうでないモノがあるとよくわかった。
市川崑の映画で覚えているのは、マラソンか競歩の前に選手が忙しく準備体操的に動かす脚を記憶してるが、その後何度もテレビでやったから覚えているだけ。佐藤首相が作った映画はまたご丁寧にも学校で見せてくれたけど、これは何も覚えていない。
映画よりオリンピックをやったという事実の方が重要だ。今回のオリンピックはコロナ下で強行したという政治と庶民との隔絶があった。これは一瞬だが僭主政が顔を見せた。このことは記憶に残るだろうか、…。
今回のオリンピック映画の監督とNHK番組の話、どうでも良いが、監督は撮り直しがないようにアベに忖度した映画を創ろうとしていないことを祈る。
どちらにせよ、佐藤栄作が大叔父さんで、兄弟が岸信介で、その孫のアベ、何か気持ちが悪い。明治維新後、山口=長州藩出身の首相が多すぎる。これじゃあ、この國はいい国にならないかもしれない。
あんまり忖度すると、歯が浮くかも、…。