キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

平凡で安全な町で起こる小さな事件 (その3)

2010-06-01 14:08:41 | アメリカ便り
スティファニーは、こういうことを話してくれました。というのは、彼女はAさんの家のすぐ裏に住んでいるということと(犬のほえる声で迷惑している)、隣の警察長官から事情を時々聞かせてもらったそうです。


このAさんは、昼間は大学付属の獣医で働いているそうですが、精神が不安定で一人暮らすのが危ないらしく、施設入りをずっと勧められているそうですが、拒否続けているそうです。

家の前によくゴミが山積みになっていたので、私も不思議に思っていました(私も時々散歩で通るのですが。)中も非常に散らかっているのと、犬の糞尿でとても人が生活できる様子ではないらしいそうですが、それでも強制的に施設に収容することはできないそうです。

そのAさんが2匹犬を飼っているのですが、ほったらかしで、家の庭にチェーンでつないでおくか、放し飼いらしいんです。だから、うちのネコのえさを食べたり、時々うちの庭でほえたりしていたんですね。

時々夜、家の中にいるシェークスピアが庭にむかって突然ほえることがあるんですが、クローイーがうろついているからなんです。この前も夜の10時頃に、シェークスピアの声で裏戸をあけると、クローイーが私たちに向かって吠え立て、ダンナは石を投げて追い払う寸前でした。

ところが先週、ダンナがAさんの叫び声を聞いて、911した夜、庭のベランダがざわざわとして誰かがいる気配と思って窓を見たら、クローイーがうちのバーベキューグリルの残骸のところで食べ物を探している様子でした。すぐダンナと一緒に庭に出て、クローイーを今度こそつかまえたんですが、なんとクローイーの首には鎖がつないだままで、力づくで家を脱出したんですね。

いつもは凶暴なクローイーがとてもかわいそうに見え、とてもおなかがすいている様子だったので、ドッグフード、ドッグビスケットを食べさせ、お水をあげました。顔をみると、虐待をされているような犬の顔をしていて、娘がたまらない様子で「うちでクローイーを飼おうよ」と思わず口出したくらい気の毒で悲しい姿でした。

早速スティファニーに相談すると、アニマルコントロールに電話してくれて、そのオフィサーの人がクローイーを引き取りにきました。「クローイーはどうなるんですか?」と尋ねると、飼い主に戻すわよ、というあまりにも簡単な答えだったので、疑問に思い、クローイーが近所をよく放し飼いでうろうろして、みなとても迷惑しているということを伝えると、そんな話は聞いたことはない、と意外な答えでした。私の隣の人もよく連絡しているし、スティファニーも3回電話しているくらいなので、そんな風に嘘をつかなければいけない、何か影の事情が潜んでいるようでした。

腑に落ちなかったので、知り合いの警察官に今回のことを全て聞いてみると、「俺も先週だけで4回彼女の家,見に行ったから、大丈夫だよ」となんと警察官が入れ替わりに彼女をチェックしている様子です。クローイーをなんでAさんに戻してしまうの?って聞いてみると、そうしないとAさんの機嫌がとても悪くなるからだということなんですが、それだけで済む話ではないですよね。どこかで誰かが彼女を保護するように圧力をかけているように思えてなりません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする