キキ便り

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申し訳ないような、ありがたいニュース

2012-04-23 18:12:34 | 研究者生活

二週間前、所属しているある学会より、昨年学会誌に掲載していただいた論文が学会の研究奨励賞(論文賞)を授賞したので、授賞式に出席してくださいとのご案内をいただいた。

論文投稿で不採択ばかりもらっていた経過があるので、思いがけないニュースだった。この学会では、論文の研究奨励賞は年により1、2人が選考されているようだが、該当者なしの年もある。そういう中、拙論を選んでいただいて、なんだか申し訳ないような、ありがたいような複雑な気持ちである。

授賞式出席のため、わざわざ日本に帰るのもと思っていたが、夫が行ってきたらと快く言ってくれたので、学会参加を目的に1週間ほど帰省することにした。いつもは子連れで里帰りなので、会いたい人にもなかなか会えない。子ども二人を連れてある先生の研究室を訪ねたこともあるが、結局は話したいことが話せず、相手の先生にも申し訳ないことをしてしまった経験がある。そういうことで今回は、常日頃からゆっくりとお話したかった専門分野関係の先生方6人とアポをとる。残りの時間は図書館で文献検索。

一人の先生は、ホテルで一緒に宿泊しませんかと誘ってくださった。せっかくの機会なので、私はアメリカで授業に使用しているDVDや本を持参することにし、その先生は去年ドイツでご発表なさった時のDVDを持ってきてくださるらしい。ホテルの部屋でミニ研修会ができるのが、楽しみ。

ある先生は、ご自分のゼミの学生に講義してくれませんかと誘ってくださったが、結局スケジュールが会わずお断りする。この先生は、私が訪問の後、ご自分の大学の図書館を使用できるよう取り計らってくださるということで、そういう心遣いがありがたい。

その他、お二人の先生方と夕食をご一緒させていただくことになった。お二人とも「学会副会長」「元会長」「学科長」などの肩書きを持つ方々で、非常にお忙しい中、時間を割いてくださるそのお気持ちが嬉しい。一人で里帰りできるからこそ、ネットワークも可能なので、本当にオットに感謝する。

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日本で教員生活をしていた10年間は、比較的自由に国内、国外の学会に出していただいたが、アメリカに移住してからのここ10年間の子育てをしながらの院生&研究者&教員生活では、学会とは殆ど縁のない日々だった。

学会に参加したくても、まずお金が出ない。もらえない。院生の頃は、発表することを前提に学会参加費や交通費をわずか支給してもらったこともあったが〔アドバイザーからの推薦、発表要旨などで審査され、もらえたりもらえなかったり)、仕事を始めてからの研修参加補助金は殆どゼロ。これは、私の仕事上の立場&大学の厳しい財政事情もあるのだが、最近では学会に参加するには研究助成金を獲得するしかないとまで思うようになった。

学会に参加する機会がないと、研究交流することが難しい。人と知り合うことも殆どない。最新の情報や研究、文献に出会うチャンスも少なくなる。

頻繁に出張や学会などで、国外、国内を飛び回っているオットをうらやましく横目で見ている私の気持ちをオットは察してくれたのだと思う。

コメント
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