息子は、今学期で大学最後での予定。
大学2年生の頃から、大学に雇ってもらい、数学のTutoring(チューター)のバイトを週15時間。自閉症特有のコミュニケーションや対人関係の困難を抱えながら、どうにかこなしてきた。
息子の脳は早く回転するらしく、同じスピードで問題を解いていけない学生たちにイライラすることも多かったようだが、クビになることもなく、仕事を休むこともなく、何とか成し遂げた。
今学期からは、チューターのバイト以外に、Supplemental Instruction (難易度の高い講座のための補助講座)でリーダーとして教えることになった。「微分積分学II」か工学部専門の「動力学」のどちらのクラスを担当しようか最後まで迷いつつ、自分にとってはより教えやすい「微分積分学II」に決める。
しかし初日は、さんざんだったらしい。ものすごく落ち込んだ息子からが電話がかかってくる。参加人数10-20人くらいを見込んでいたが、60人もの学生が参加し、用意したプリントが足りず、コミュニケーションも難しかったらしい。
その晩、今日のセッションはどうだったかについて参加者からのフィードバックを得るために、息子はオンライン質問紙を作成。5段階のスケールで、自分のコミュニケーション、教授方法、教授内容などについて評価を求める質問紙を作ったが、私と夫は、ひとまず数週間様子を見てから、フィードバックを求めた方がよいのではとのアドバイス。評価が悪かった場合、自分のコミュニケーションや教え方を改善するためには、特に自閉症者の場合は時間がかかるため、それ程自分を追い詰めなくてもよいのではとの親心。それよりも、自由回答式で、このクラスに対する期待や要望があれば書いてほしい、といった質問紙の方が、今後の参考になるのではと伝える。
息子は近年、自分の自閉症の特性についてさらに理解を深めている様子(これについては、また別ブログで)。しかし、苦手な点に目を背けずに、それでもどうにかやってみたい、人並みあるいは人以上にやろうとする、そういうレジリアンスには感動する。