「1」は こちら
彩吹真央に関しては一応下級生の頃から顔と名前は
知っていました
雪組の、やたら顔の濃い下級生で「好みじゃないわ」と思った記憶があります。
その後、花組に配属になり新人公演の主役を張ることになるのですが
ご本人も「私達の新人公演は個性がないと言われていた」と言っている
ように、写真を見ても興味がわかない・・特に愛華みれ時代の花組は
ほとんどみていないので全く眼中に入らず・・・でした
最初に彩吹真央を意識したのは、匠ひびきのさよなら公演
「琥珀色の雨にぬれて」「カクテル」の大劇場公演のビデオを見た時、
「カクテル」の18場におけるソロで・・・
サザンの曲をあんなに切なく美しく歌う人がいるなんてーーと、感動感激。
彩吹真央というベストシンガーの存在を知ったのでした。
(そりゃあ、花で一番歌えるのは春野寿美礼でしょうが・・あの曲だけは
やっぱり彩吹が一番と思ってました)
でも、まだ「地味な優等生」のイメージしかなくて。
「エリザベート」のルドルフは・・あまり王子様に見えなかったし・・・
確かに銀橋における「闇が広がる」は素晴らしかったけど、特別声が
綺麗とか特徴があるとか・・あまり考えなかったですね
私にとって「男役の定義」とは、歌唱力やダンス力ではなく、まず
「男役」としての演技力=包容力プラス色気であったので、歌が上手
なだけじゃまだまだ・・・みたいな
とりあえず春野時代の花組作品は全て1回は見るチャンスを与えられ、
その度に目には入っていたんですが。
「不滅の棘」の変なお兄ちゃんには「?」で、「野風の笛」の秀頼は
「上手だなーー」程度、「月の燈影」では「蘭とむの方が目立ってる」
「NAKED CITY」は話が暗すぎてみた時は共感できず、後から
DVDで見て「かっこよかったんだあ」みたいな?
とにかく何でもできる優等生で安心してみていられるけど、地味な印象は
変わらず・・だったんですね
ところが・・「あれ?」と思った事が。
それは「アプローズ宝塚」のお正月のテレビ中継を見ていた時
この時は病み上がりでショー自体あまり面白く感じなかったので
テレビ画面を見ながら「いよいよ宝塚が面白くなくなって来たわ。
卒業かしら」などと思ったんですが、そのだらだら見ている画面
の中で目を引いたのが彩吹のダルマ姿でした
ちょっと・・・怖い(笑)ダルマ姿で「ビアンビアン」と歌う彩吹を見た時
「この人、何だかつき物が落ちたような顔をしているわねー」と
思いました
簡単に言うと「悟りを開いたような顔」をして見えたんです。
ゆえに歌も強く印象に残り、「アメイジング・グレイス」のソロと一緒に
強烈に頭にインプットされたのでした。
でも、花組といえば「オサ・アサ」で、その片割れの瀬奈じゅんが
月に移動してしまうと花組の目玉が一つなくなるわけで、ちょっと興味が
うせたのは事実ですね。
次に花を見たのが「マラケシュ」だったんですが、これで
「ああ・・瀬奈じゅんがいないのかー」と、ちょっとがっかりして
見ていたんですが、この「マラケシュ」のラストシーン・・・・
帰って来たクリフォードがオルガを抱きしめて言う台詞にジーン・・・と
泣いてしまったんです
荻田浩一氏の作る台詞には常に心を響かせるものがありますが、
それを生かしきった彩吹の演技力に「へえーー」って。
このシーンで初めて「彼女、包容力ある男役なんだーー」と認識。
そして「落陽のパレルモ」のヴィットリオ これにはハマってしまいました。
あのヴィットリオの色気っていうか、遠野あすかを相手に純愛を貫き通す
姿にぐっときてしまったんです。
「彩吹真央ってかっこいい」って初めて思った瞬間でした。
でもこの時、すでに真飛聖が星組から組替えになって、次期トップ
として決定を貰っていたんですよね・・・・
私の友達は今でも「ゆみこちゃんはパレルモで辞めておけば
よかったのにねーー」などといいますが(ファンを前にして言う台詞
じゃないでしょっ)
私はそうは思わないんです。
でもあの当時・・・「ファンになること」は辞めておこうと思ったのは事実です。