姫ちゃんと観劇してまいりました。作品のせいなのか?それとも最近の傾向なのか?男性の観客が増え、カップルも増えました。
姫ちゃんは職場でせっせと布教して歩き、花組ファンが増えたようで・・(カレシを作らんかいっ)
CITY HUNTER
正直、斉藤吉正~~って感じですが、お披露目にとんでもない作品を持って来たなというのが正直な感想です。
トップお披露目で色々な意味でプレッシャーがかかっているコンビに、ハードルが高すぎる作品のように見えました。
最初はいつもの斎藤吉正作品のように映像に次ぐ映像。
色々な冴羽獠の過去が出てきて、そこまではまあわかるんですけど、ミック・エンジェルが絡んで来たあたりから睡魔が襲って来て・・・はっと気づくとクライマックスになって、そこからはずっと見ていたという印象です。
要は何もかも詰め込み過ぎなんですね。
冴羽獠の傭兵時代のエピにアルマ姫の国のクーデター、ミック・エンジェルとの関係、海坊主との関係、槙村兄妹との関係、野上冴子との関係、大女優のスキャンダルに、麻薬の取引に・・・・登場人物が多い事といったら!
出演者的にはOKだけど、これって完璧に原作を読んでいないとわからないストーリーになっているし、展開が早いのかだれているのかわからず、はちゃめちゃに終わってました。
でも今までの斎藤吉正のぶつ切り画面構成よりはマシな方だったかな。
とりあえず時代設定が1989年、つまり平成元年で「宝塚歌劇「ベルばら」上演決定」とかいう映像を見ながら「ああ、この頃よく劇場の前を通っていたけど結婚したばかりで宝塚と縁がなかったなあ」とか、思い出に浸っていました。
ただ、新宿のゴールデン街なんですよね?街並みは。
でも「XYZ」の掲示板があるのは新宿LUMINEの前じゃなかった?
そこらへんがまあ違和感といえば違和感なんですけど。
今時の人、駅前に掲示板があったなんて知ってたかな・・・?
鶴田浩二と高倉健に憧れてヤクザの世界に入ったとかいう若者の言葉に笑ったけど、笑った時点で歳がバレるじゃんと思ったり。
冴羽獠の産みの親の死に方、育ての親のひどさ、命を救ってくれたドクター、ここら辺がかなり軽い扱いで物語に深みが出ない。
王室スキャンダルにヤクザの麻薬密売事件を絡めて、過去との整合性までやっているんだから深みなんか出るはずもなく、娯楽作品として楽しめればそれでいいんだと割り切りました。
が!
いかんせん、トップコンビと2番手がコメディ苦手と来ているので。
冴羽獠とミック。エンジェルのキャラが被っている部分があり、お互いに抑え気味にやっているようで、「そこはもっと弾けんかいっ!」と心の中で怒ってみたり、「ボケばっかりやるな!突っ込め」とかね。
宝塚ならではの「上品さ」を失ってはいけないと思っているんでしょうけど、だったらこんな作品やらなきゃいいわけで。
冴羽獠の二面性をもっと完璧に引き出していたら魅力的だったと思いますが。それは今の彩風咲奈には無理な話。
朝美絢にしても、ミック・エンジェルのアメリカン版「冴羽獠」をどう表現したらいいのか全然わかってない感じで、キャラ被りしないように、キザってモテて・・・って感じですかね。
朝月希和の香はほぼ原作通りっていうか、原作より子供っぽ感じですがよいといえばよいし、悪いと言えば悪い。個性がそこまで出てこない。
美味しい思いをしたのは、彩みちるの野上冴子とアルマ王女の夢白あや、そして槙村を演じた綾鳳華ですかね。
本来、こういう作品は何作かやって、組の立ち位置やコンビの阿吽の呼吸がうまくいった所でお披露目するべきだと思うのですが、初心者がいきなりプロ級の腕を見せろと言われた如く、課題だけが残った印象です。
とにかく登場人物がごちゃごちゃしすぎて、画面がうるさく、しかも原作を知らない人にはちんぷんかんぷんの難しい作品でした。
そうそう、曲に関しても。
やっぱりTMの「GET WILD」は名曲だと思います。
あのイントロの透明感を聞くだけでわくわくするし、古さを一切感じさせないくらいのインパクトがあるし。つくづく小室哲哉という人はすごい才能を持っているんだなと感じ入りました。
(この人も結婚後、犯罪に妻の病気にスキャンダルにと自業自得ながら気の毒な一面もあり、今一度復活するようですが老後は安定しているといいですね)
このGET WILDにはどんな曲もかなわないんですよ。
他の曲が要らないくらい・・・いっそのこと、全部小室哲哉にお願いすればよかったんじゃないか?と思う程。
何でそこにSHISHAMOの曲なのか・・・・あのバブル時代と今では色が全然違うし、無理に入れなくてもよかったんじゃないかと思ってます。
ああそれと・・・画面で出て来た雑誌の表紙の「彩風咲奈&朝美絢」の2ショット写真が欲しいです。キャトル様っ!
Fire Fever
オープニングはいいとして、朝美絢の「滑稽な貴公子」は何度も見れば「かっこよさと面白さがマッチして・・・」となるんでしょうけど、1度きりでは中途半端に見えます。
朝美絢のよさは何か。それはぐいぐい押すキザっぷりなわけでコメディセンスまでは要求してはいけないと思うんですね。ナルシスト1本で攻めるべきだったかも。
我が家の姫には不評だった「大ロケット」ですが、個人的には色も綺麗だったし、人海戦術ここにありという場面で好きです。
「FIRE BIRD」は物語の振付はいいんですけど、彼女が死んでしまった後のシーンが?で、振付家をみたら若央りさ。ああ、やっぱりね~~って感じ。
せっかく、あんな真っ赤な衣装をつけて出てきてガンガン踊らないってどういうこと?トップさんは何の為に出て来たの?
衣装的に「ノバ・ボサ・ノバ」のシナーマンみたいな場面を期待しちゃった私が悪いのかしら?
縣千率いる若手のダンス、朝美絢らのダンスがとても目立ってよかったです。
デュエットダンスは、お披露目なんだからもっとラブラブ感だしてもう一回、リフトをやってくれたらお祝いムードになったのになあと思いました。
彩風咲奈・・・苦節何年?でようやくトップ就任。しかし、この人は生真面目なのが取り柄で引き出しも狭い。おまけにオラオラ感がない。「壬生義士伝」当たりの役がぴったりで、常に2番手で目立つタイプですよね。
でも、とにかくトップになったわけですから代表作を作り名を残してほしいとは思います。その為には「演技の幅」を広げることが必要です。
何でも出来るからかえって目立たないって事もありますし。今後、髪型とかメイクとかさらに研究が必要かも。今回のような半分2・5次元はメイク勝負だと思うんですけどそんなに似せようとした印象がないですしね。
朝月希和・・・この人も2番手とか別格で光るタイプで、タナボタ的にトップになった印象があります。顔が庶民的でトップに必要な「圧倒的な美
」が出てこない。月影瞳のように「女将さん」タイプで行くしかないのかもしれませんけど。
朝美絢・・・雪組にこの人がいなかったらめちゃくちゃ地味な組になっていたろうなと思います。欲望むき出し、絶対真ん中で光ってやる~~的な熱さを持っているので見てて楽しい。美しい顔、声のよさ、キザった時のかっこよさ。トップに必要な条件を全部持ってます。背丈が足りないのだけが悩みですがいつか「二代目炎の妖精」になってくれるかも。
綾鳳華・・・オープニングにさっさと死んじゃうくせに、幽霊になってがんがん出てきて、冴羽獠と普通に会話する変な人。
とはいえ、こういう役をやると本当に落ち着いてかっこよく素敵だなと思うんです。元々2枚目なのに自ら前に出るタイプはなく、それゆえに損をしている所も多いのです。もっと笑えばいいのに陰の空気が漂ってる感じですね。
とはいえ娘役と対峙した時の綾鳳華は本当にかっこよくて優しくて包容力があるんですよ。そういう部分に演出家が気づいてくれたらなと。
「FIRE BIRD」の恋人は、もうちょっとセリフと場面が欲しかった。赤い鳥に背中なんか押されずに彼女を抱き上げて去って行ってくれたらよかったのに。
フィナーレの時も笑顔満点の縣千に比べるとイマイチ暗い。もっと笑え!もっと弾けろ!って感じです。
縣千・・・海坊主はよくやった・・って感じです。元々昭和のスターの顔立ちですけど、新生雪組になって明るさが加わり今後が楽しみになって来ました。
ダンスも弾けているし。ただカリスマ性を持てるかどうかは別ですね。
雪組は娘役不足?
それはどこの組もそうだと思うけど、今まで娘役を大事に育ててこなかったツケが回って来たのかな。90年代にあれほど大物がいたというのが嘘に思える程の小粒感。これは問題でしょう。
男役にはそれを引き立ててくれる娘役の存在は不可避です。
男役だけかっこよくても宝塚は成り立たないことを劇団は再認識すべきです。