よし坊のあっちこっち

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実現不可能ー社内英語化

2010年08月08日 | ビジネス横丁こぼれ話
日本の会社が社内英語化を試みようと話題になっている。これ自体は挑戦的でいいのだが、早晩頓挫すること、100%請け負う。恐らく3ヶ月も経てば、何事も無かったかのように元に戻っているはずだ。

よし坊も昔こんな経験をした。アメリカ駐在になって暫くしたら、本社から通達が来た。「海外関連会社と本社の営業月報は全て英文にする」。事の発端は、ヨーロッパの関連会社の外国人幹部が、グローバルマーケットの情報共有が必須な時代だから、他地域の情報も共有したいと申し出て、本社も「そりゃそうだ」と納得したのだ。よし坊としては大歓迎だ。なにせ、それまでは現地会社用の英文月報と本社向けの日本語月報の二種類を書いていたのが、一つで済むわけだ。この取り組みが始まって最初の月報は目出度く英文月報が各所から届いた。ところが、二回目から来なくなった。こちらから出す月報はせっせと英文を送るも、他所からの月報が来ていないことに気が付いてはいたが、忙しさにかまけ、打っちゃっておいた。しかし、どうも様子が変だ。漸く本社に問い合わせたら、まず本社が音を上げ、早々と二回目から止めているという。それに合わせてアジア各所、ヨーロッパも止めていた。やっていたのはアメリカのみと言う。月一回の報告書だけでもこの有様なのである。

今の日本では50年、いや、100年経っても無理だろう。何かを根本的に変えないと。

アメリカ人に、日本では中学高校と6年間も英語を勉強する、と言うと、目を丸くしてこう言う。「そりゃ凄い。さすがは世界の経済大国だ」。ところが、彼らが日系企業に入ってびっくりするのである。アメリカに進出している日系企業の半分以上の社長が英語を話せない。

アメリカ人が日本へ行くと苦労する。ホッとしているのはホテルの中だけだ。さすがに彼らが泊まるようなホテルは英語が通じる。しかし、一歩外へでれば、赤子同然だ。標識は殆ど日本語(たまに小さく書いてあるが)。街行く人に尋ねようにも、日本人はガイジンと見ると、直ぐ逃げ出すのだ。街で尋ねても通じる英語、これをよし坊は「街角英語」別名、和製英語的ではあるが「Street English」と呼んでいるが、このレベルが上がらないと、とてもじゃないが、社内英語化などは出来ぬ相談だ。

学校の6年間の英語教育が有っても、通じない。あれだけ英会話学校が氾濫していても「Street English」のレベルは一向に上がらない。5-6年前に国連が出した東南アジア12カ国中、北朝鮮と並んで最下位の英語力と査定された日本の順位は今も変わっていない筈だ。