股旅物と言えば、長谷川伸。関の弥太っぺ、中山七里、雪の渡り鳥等が知れている。雪の渡り鳥と言えば、長谷川一夫と山本富士子の映画があり、この映画を思い出すと、三波春夫の「合羽からげて、三度笠、どこをねぐらの。。。」と出だしのフレーズが口をついて出る。
雷蔵の股旅物も、中山七里、鯉名の銀平(雪の渡り鳥)あたりは、プロットも似ていて、どちらかと言うと、中山七里のほうがいい。しかし、長谷川伸の作品の中では、新珠三千代が共演した「沓掛時次郎」が断然良かったし、好きな一つだ。最後のシーンが泣かせる。坊やが木の上から、去っていく時次郎に、最初はおじちゃーんと叫ぶが、最後に”おとっちゃーん”と叫ぶ、あのシーンだ。実の親でもないのに、そう叫ぶとウルルンとなる。
雷蔵の股旅物のイチオシは、原作は村上元三だが、長門勇の語りで始まる「ひとり狼」だと思う。所詮ヤクザはアウトロー。明日は自分の卒塔婆を立てるかもしれぬ一匹狼の孤独と非情を出している。亡くなる前年の作品だ。だから、亡くなった後にもう一度観ると、あの表情は役作りだけではなかったのではないかとさえ思う程冴えている。
雷蔵の股旅物も、中山七里、鯉名の銀平(雪の渡り鳥)あたりは、プロットも似ていて、どちらかと言うと、中山七里のほうがいい。しかし、長谷川伸の作品の中では、新珠三千代が共演した「沓掛時次郎」が断然良かったし、好きな一つだ。最後のシーンが泣かせる。坊やが木の上から、去っていく時次郎に、最初はおじちゃーんと叫ぶが、最後に”おとっちゃーん”と叫ぶ、あのシーンだ。実の親でもないのに、そう叫ぶとウルルンとなる。
雷蔵の股旅物のイチオシは、原作は村上元三だが、長門勇の語りで始まる「ひとり狼」だと思う。所詮ヤクザはアウトロー。明日は自分の卒塔婆を立てるかもしれぬ一匹狼の孤独と非情を出している。亡くなる前年の作品だ。だから、亡くなった後にもう一度観ると、あの表情は役作りだけではなかったのではないかとさえ思う程冴えている。