よし坊のあっちこっち

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Supercommuters?

2012年08月22日 | アメリカ通信
何やら聞きなれない言葉がニュースの紙面に踊っていた。Supercommuters。はて?

アメリカの経済状態も、今年に入り多少の明るさを取り戻したとは言え、一方ではガソリン価格が高騰し、庶民感覚としては“経済回復”を実感するまでには至っていないのが実態だろう。景気低迷の長期化は色々なところに影を落とすが、労働市場も同じ事だ。

巷では、ジョブフェアが行われ、失業率改善が少しでも見られれば、それは直ぐニュースになり、新しい会社や工場が建設されれば、雇用創造のグッドニュースとして報じられるが、大きく変わりつつある労働環境のひとつに、Supercommuters(スーパーコミューターズ)という現象が出てきているという。
Supercommutersとは、自宅から会社まで片道2時間位(或いはそれ以上)の距離を毎日車で通勤する人々を指し、この数年、その数が急増していると言われている。

一般的には、雇用の機会は大都市の方が圧倒的に多いので、より良い職場を求めて大都市での就労を目指す。就労が決まれば会社に近い場所に転居するのが普通だったが、昨今の住宅市場はすっかり冷え込み、しかも長期化しているから、折角良い職場にありつけても家の売却がままならず、立ち往生してしまう。そこで彼らは考えた。失業に加え家も手放すくらいなら、2時間ドライブなんのその。かくてSupercommutersの誕生である。

もうひとつ見逃せない背景が、ファミリー。アメリカの場合、“ファミリーと一緒“の大原則は今も変わっていない。そこで長時間通勤を積極的に受け入れ、出来るだけ家族とともに暮らし、家族を守る、という選択をする流れが出てきたということらしい。

ファミリーを焦点に日本を考えた場合、背景は異なるが、「単身赴任」がある。今やサラリーマン社会ではすっかりビルトインされており、単身赴任10年(或いはそれ以上)選手も珍しくない。10年単身赴任ともなれば、家に帰る頻度は落ちに落ち、盆と正月に顔をだす“お客さん”と化していくから、なんとも哀しい。