よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

映画三昧ーAugust:Osage Countyとメリル・ストリープ 

2015年01月20日 | 映画
メリル・ストリープの映画は、いつ観ても、その演技に感心する。つくづく上手い役者だなと思う。やはり、アカデミー最多のノミネーションに加え、3階のトロフィーを手にしているのが、その証だろう。そのうち、キャサリン・ヘップバーンの4回に並ぶ日が来るのではないか。是非そうなってもらいたいものだ。

August:Osage Countyも見応えのある作品だ。題名の通り、オクラホマのオセージ郡に住む父親の自殺によって集まった家族達の夏の数日の物語である。夫々の生活を背負って集まった娘達と連れ合いや孫、妹夫婦の家族らが交わす会話から、様々な問題がぶつかり合う中で、癌で薬漬けになり精神的にも荒廃していたはずの母親(メリル・ストリープ)が、伊達に人生を生きていない母親の眼力で、夫々が抱える問題の核心を突いていく。

最も印象的な場面は、葬式の晩の全員の会食だ。男どもが思い思いのラフな服装で食事を始めようとするのだが、ストリープ演じる母親が、「そんな服装で死者を送るのか」と一喝する。男達が慌てて上着を手にするのが面白い。恐らく、この場面から、観客はストリープの演技にのめり込むはずである。インパクトの大きい場面だ。

夫の浮気を機に別居している気の強い長女に対しては”丸くなれ”と説く。女好きのダンディな彼氏を連れてきた次女には”ろくでもない危ない男”と喝破して警告を発する。三女が好きになった従兄が実は母親の妹に産ませた異母弟だったことも明るみにでるが、これも既に母親の中では先刻承知の話で、全く動じない。

最後は、新たに得た事実を思い思いの胸に秘めながら、それでも今までどおりの延長線上の日常に皆戻って行くようにみえる。

ストリープに加え、長女のジュリア・ロバーツも熱演である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。