よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

Jaycee Dugard事件とアメリカの対応

2010年07月06日 | アメリカ通信
アメリカは、Missing(行方不明)の事件が多い。ある日忽然といなくなる。誘拐、拉致にによるもので、殺害やHuman Trafficking(人身売買)に行き着く。何年も経って人骨が発見され、DNA鑑定で「あー、あの時のケースだ」と判明する。

昨年、カリフォルニアで、ジェイシー・デュガード事件というのがあった。約16-7年前、当時14歳だった少女が発見された。妻子持ちの男が拉致し、庭に小屋を作り、そこに監禁し、以来、性的行為を繰り返し、二人の子供まで産ませていた。妻も知っていての容認だから、共犯である。その小屋で15年以上も子供とだけで生活してきた、痛ましい事件だ。
その間、再三にわたり、怪しいとして、警察がチェックに来たが、通り一遍の聞き取りだけで、すぐ裏庭に怪しい小屋があるにも関わらず見逃していた。

日本でも、少女が何年も拉致監禁され、性的暴力を受けていたケースが明るみに出ていたが、そうした犠牲者のTraumaを考えると涙が出てくる。もし、我が娘がそのような目に遭ったら、と考えると背筋が凍る。

あの、シュワルツネッガーのカリフォルニア政府は、捜査の甘さ、怠慢を理由に、ジェイシーに対し約20億円相当の支払い決定を行った。州経済が非常に厳しい時ではあるが、Justiceの履行には、決然とした態度を取る。

日本で、同様な事が起こったらどうなるのだろうか。恐らく何も起こらないのであろう。捜査ミスは言い逃れか、封印されるのがオチだろう。誰も責任を取らない空気がある。いや、蔓延しているのかも知れない。

アメリカも色々ある国だが、こういうケースの処理の仕方を見ていると、アメリカの凄さを感じざるを得ない。アメリカの「魅力」とは、こんな所にも現れているような気がする。

RAIZO - ぼんち

2010年07月02日 | RAIZO
山田五十鈴、若尾文子、草笛光子、京マチ子、越路吹雪、中村玉緒。豪華女優人である。脇の男衆は、中村鴈治郎、船越栄二に林成年。

男衆の中では、船越の御養子さんが、雰囲気そのままだ。船越はこういう役が似合う。女衆の中では越路吹雪が異彩を放つ。

船場のお店(おたな)の坊坊の雷蔵が、男の甲斐性とばかり、愛人を次々に作り、最後は、女どもの打算と毒気に壁壁して道楽も止めるのだが。

この映画で最も印象的なのは、雷蔵の坊を子供の頃から身の回りを世話してきた、倉田マユミのお時だ。いっぱしの大人になった素っ裸の坊の着替えを手伝うシーンがあるが、無表情さの裏側が何とも気になる。そして、最後の場面で、初老の坊が出かける時に、奥から、これも歳を重ねた、お時が出てくる。生涯 坊の世話に掛けてきた、お時が、一段と印象的だ。終生陽の当たらぬ場所だが、常に目立たず控えめに、しかし、一本筋を通して仕える、そういうカタチもあるのだと思う。今時、そんなことは流行らないから、余計グッときてしまうのだ。「ぼんち」に成損ねたからこそ、お時は生涯を坊の側にいることを決めたのかも知れない。