真っ赤に熟した、ホウズキ
我が家の近くの食品スーパーが建て替えることになった。詳しいことは分からないが、建物は築50年前後、建て替え期間3年間と言われている。人気のスーパーで、近所の人は老若男女、こぞって買い物をしていた。しばらくは、代わる食品スーパーを探すしかない。
そこで関心を寄せたくなるのが、建て替えの方法、その建築のあり方である。
この店舗は現在7階建、表側は、片側三車線ある主要道路に面し裏側も細い道路に接している。左右は並びのビルでほとんど隙間がない。この建物を解体し、そこに新たに何階かの、おそらく10階程度になるはずのビルを建てるという建築工事を、一体どのように進捗させるのだろうか。想像するに、建物の前の歩道を跨ぐ架橋を作って、道路側に巨大なクレーンなどの重機を設置、工事を進めると思われる。しかし廃材や残土の処理、新たな建材を運び込む方途はどうするのだろう、想像がつかない。これを難なく進めるだろう建築技術の進歩は半端ではない。
都市は今、高度成長期から40~50年を経過し、建物の劣化が進んでいる。都内では、だから各地で再開発が進み、建て替えが次々と起こっている。などと思ったら、新宿駅西口の住友ビルだったか巨大な建物が、すっかり跡形なくなくなっていた。しばらくカバーがかけてあったが、いつ工事を進めていたものやら。
ところで、新たに建設された国立陸上競技場というのもすごい建物だ。9万人収容の巨大スタジアムを柱などの支柱もなく空間をすっぽりと空けている。隈研吾さんの木材を使ったデザインが注目されるが、そんなことよりその構造を建築できる技術に恐れ入る。
などと思っている時、久方ぶりに東京駅を利用する機会があった。丸の内側から八重洲側に渡ってその地下街の変貌ぶりに驚いたが、ところが知っているつもりの土地勘・方向感覚が乱れ、帰り際に迷ってウロウロする始末。都市は変貌する。旅行するなら、都心を旅行すべきだ。時代の変化を知るのにうってつけの場所である。【彬】