近所の公園で棗が熟していました。
私は、新しくできた国立陸上競技場に入ったことはないが、もちろん入る資格もないから、当然だが、その外周は走ったり歩いたりしながら、何回か回っている。その印象を一口で言うと、とにかく広い、大きいと言うこと。この建物、従来の国立競技場を建て替えたものだが、その広さは従来の倍の広さがある。倍と言ってもうまく伝わらないと思う。具体的に言うと、従来の施設の周りには、明治公園とか広い公園があったのだが、その公園を丸ごと飲み込んでいる広さと言えば想像が出来ようか。収容できる観客はなんと9万人。それにスタンド下には、選手、関係者用の設備・施設を含んでいて、競技場の中央には、400メートルトラック9レーン、それにフィールド競技をするスペースがあるのだ。それほどの巨大さなのである。とは言え、高層ビルのような威容を誇ると言うものではない。現代の遺跡だと思えば思えなくもない、どっしりした楕円形の構造物である。
そこで問題なのは、オリンピック後のこの施設の利用方法。以前からとやかく言われてきてはいるものの、具体策はないようだ。国は民間に利用権だけを売却したいようだが、買い手はあるのだろうか。ロックコンサートに最適だとか、言われてはいるものの、スーパースターの野外コンサートなど、これから先、今までのように隆盛を続けていくとはとても思えない。さてどんなふうになり変わっていくものやら。
セバスチャン・コー世界陸上協会会長は、次の世界大会でこの会場を使いたいと申し出ているらしいが、この会場を観客で埋め尽くし、この施設を十全に使い切れる能力がある団体だとはとても思えない。
以前の国立競技場も同じ悩みを抱えていた。観客席数確か5万人だったか、このスペースを埋め尽くすイベントは、お正月のサッカーくらいで、閑古鳥が鳴いていたのである。お祭りの後始末は、どこでも大変である。【彬】