畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

寄稿「記録的な小雪・大雪考」その2

2020-03-06 12:45:03 | 暮らし

      記録的な小雪・大雪考(その2)

 雪に関する文章も多いのだが、小雪に関しての興味深いものもあった。

一つは昭和七年が経験したことのない小雪で三月に野球大会が出来たというもの。

偶然と言おうかその前年、昭和六年に上越線の清水トンネルが開通していて、

人々は三国山脈に穴を掘った事がその小雪の原因ではないかとさえ噂をしていたとか。


 その年は経験したことの無い小雪であり、夏の農作物への影響が心配されたが、

その心配が杞憂が終わる豊作となり、米価が下がり豊作貧乏状態になったとも書かれている。


 ところが翌年の昭和八年は前年の分を取り返すかと思われるほどの大雪。

大量に降った雪は五月末まで消え残ったという驚くべき内容。


 また、ほかの筆者の文章では堀之内遊歩道の石碑の由来についても書かれている。

今では多くの人々が簡単なハイキングを楽しめるコースとして親しまれている。

遠方からの来訪者も多い御嶽山とも呼ばれる山の頂上に建てられたこの石碑は、この大雪の年、昭和八年建立とある。

そして、百数十貫400キロにも及ぶこの大きな石碑は昭和八年の大雪を利用して運び上げられたようだ。


 雪崩を避けて沢を踏み固めて運搬路を作り、堀之内町民の有志が大きな橇(そり)に乗せ、

黒山のように集まって引き綱を引いたり、後ろから押したりして運び上げたのだと言う。

 上越線の清水トンネルの開通、小雪、そしてそれに続く大雪と、

大きな石碑の建立の話がようやく私の頭の中で繋がった。

           (続く)

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遊歩道を歩く「山頂の石碑」

2020-03-06 04:52:13 | 登山

 山頂に到着です。この石碑は百貫目の重さだとも言います。

先日読んだ昔の老人会会報にこの石碑について興味深い文章がありました。

 

 標高はご覧のとおり。

里山的な遊歩道であり、万人に親しまれる所以。

 

 老人会会報『年輪』に寄せられた文章によると昭和8年建立と有った。

裏側にはそれを裏付ける、昭和8年の文字が見られました。その年の大雪を利用して橇で運び上げたのだとか。

 

 さて、そこから足を延ばして山で亡くなってしまった友人の慰霊碑まで。

彼の書き残していた文章に有った言葉です。「奴らしい文言だなー」没後35年位になるのかな。

 

 彼とスベルベが所属していた山の会で、立てた方位盤兼慰霊碑。

遭難死した翌年の仕事だった。歳月の流れの速さを痛感させられます。

 

 さて、さてさーて。何時とは無く阿吽の呼吸で二人の口をついたのは「今日は足を延ばそう」です。

向こうに見える通称「FM塔」まで歩こうという事。かって歩いたスベルベママは「以外に近い」と言う。

 いえ、スベルベも何回も歩いてはいるけれど、それは登山道の整備、草刈りなどの仕事でした。

あらためて一般登山者として歩いてみると・・・・。いやー、結構遠かったなー。

      (続く)

 「先人、大先輩の文章からの抜粋です。」

 (前略)この沢奥につながる御嶽山の頂上には立派な石碑が建てられて春秋を通じて多数の参拝観光客が登山しているがこの石碑の建立も思い出の一つである。昭和八年と云えば満州事変勃発直後で昭和七年の五・一五事件で犬飼総理が、問答無用と射殺された生ぐさい時代で私の青年学校時代であったと思う。この大きな石碑は百数十貫(四百K)の目方がありこれを登山道の入口迄は出来たが、サテこの石を山頂迄運ぶことは当時としては中々大変なことであった。

 (中略)

堀之内区民多数の奉仕活動に依り三月末の雪の降り止まりの頃前日から雪の運搬道を開さくにかかり、山険しくてナダレの多発地点を点検整備して南面の沢奥に斜めの雪道をつくり大型の山ゾリに石碑を縛着積載し黒山の様な多くの人々が引き綱とあと押しの大行列で、ヨイショヨイショと押し進む壮観は今でもはっきりとまぶたに残っておる。作業の効率を考え大ゾリのすべりの良いしみ渡り好天の日を選び、鶯の初音がきかれマンサク・山桜の蕾こぼれる山合の谷間に響く老若人夫の掛け声は今でもはっきりと脳裏に残る。
 御嶽山の背面七合目付近の雪の斜道の登運搬作業にアメ頭に興奮して湯気を逆立てて絶叫を続けた惟春さま故寒江礼孝氏の悲壮に近いかけ声を忘れる事が出来ない。

 (後略)

 

コメント (2)
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